内容説明
京都祇園の路地裏にたたずむ「桃枝骨董店」。三代目店主未之助と弟子兼使用人の天草がいるこの店には、骨董品はもちろん、時には不用品や盗品といったものまで――、毎日不思議な“ご縁”が品物とともに舞い込んでくる。 京都に春が訪れたある日。大学進学のため、全寮制の高校を卒業した孫娘・光が7年ぶりに帰ってくる。と同時に、馴染みの刑事からある品物の問い合わせが入る。聞けば、事件がらみのいわく品で……。 百鬼夜行の気配ただよう町並に、人と物と人情が紡ぎだす、ちょっぴり不思議であったかいライトミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
99
『下鴨アンティーク』のようなお話かと勝手に想像していたので、序盤のカタイ文章、薀蓄の多さにがっかり。ふしぎはどこ?付喪神は?京のはんなりしたムードは?欲求不満になりつつ読み進めた。終盤にきて一気にあやかし大放出!店主が語り手となった「冬の日の1995」ですべての謎が一気に解けた。あらためて表紙を見ると「なるほどね」である。多分シリーズ化するんだろうな。2016/05/07
はつばあば
49
「京都府警あやかし課の事件簿」で京都在住とは言えあまりにもお粗末な私の行動範囲だったもので、こちらも色々な知識を頂けるかと3巻共購入。う~ん天花寺さんはすごく深く掘り下げた知識を披露してくれました。この獅子ししゃもさんにはまだまだ骨董品と京都の繋がりがうまく表現できてないまどろっこしさが・・。それでも師父と天草と光の繋がり、ご町内の皆さんとの繋がりなどにほっこりさせて頂きました2021/01/03
はな
44
なかなか読み進められなかった1冊。文体が固いから?なのか時間がかかりました。天草とお嬢さんの掛け合いがなんか不自然?だからなのか?天草の正体がわかってから最後のお話は急に読みやすくなった気がします。語り手が師匠だから?なのかな??2016/09/09
ひさか
40
2015年12月メディアワークス文庫刊。書下ろし。半分を過ぎたところから、ふしぎ話の全開になり、夢中になりました。骨董屋さんとそこにかかわる京都の人々が楽しいです。2016/09/28
ううち
28
引きの表紙絵に惹かれて購入。初読み作家さん。落ち着いていて、全体的にちょっともったりした感じが良かったです。卵が大好きだという天草が可愛い。口絵でネタバレでしたが、天草の正体は好きなので続きも読みます。2016/07/05