内容説明
恐怖の帝王の放つ圧倒的ホラー大作!
孤島に暮らす男を襲う怪異。愛する者たちを見舞う怪死。この島には何かがいる! 悪しきものの棲む廃墟の館が隠す秘密とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
103
本書はキングの原点回帰とも云えるモダンホラーと云えるだろう。但し最初は労働災害事故で障害を負った建設会社経営者エドガー・ブライアン・フリーマントルの華麗なる転身の物語であり、そしてその転身による成果が広く世間に評価されるアメリカン・ドリーム・ストーリーでもあり、さらに移住先で出逢った人々との友情物語でもありと、実に多種多様な彩りを伴って物語は展開する。したがって読んでいる最中は全く先が読めなく、一体どのような物語かと戸惑いながら読み進めることになる。ただ解っているのは不吉な予感を与えるその題名だけなのだ。2024/07/18
つねじろう
73
上巻だけで550ページだろうが文庫なのに持ち重りがして肩がころうがいつもながらの密度の濃い文章で横板に餠のような気分を味わおうがページを繰っても繰っても事故で身体が不自由になった自分と自分と別れたい嫁さんと娘と医者と島で出逢った人々と絵の自慢話しばかりで最後まで標題の悪霊はカケラも登場しなくてもそれはそれスティーブン・キングだから仕方がない。下巻にめちゃめちゃ期待高まる。2017/08/16
HANA
66
事故で障害を負った男が移り住んだ島。そこで男は奇妙な力と名声を得つつあるものの……。超常的な力を得た主人公が悪しき力に立ち向かうというのは、キング始めモダンホラーのお家芸みたいなものであるが、この上巻ではそれほど大きな動きはない。傷を負った主人公の再生と周囲の人間の様子が、濃厚な筆でみっちりと書き込まれている。超常的な力にしても中盤から最後の方に触れられているだけだし。ただその日常の様子が何故か目が離せない程面白いのは流石というべきか。物語が大きく動き始めるのは下巻からなので、今から読むのが楽しみである。2017/10/23
カムイ
35
リーシの物語以来のキング作品、恐怖を味わいたいと思い手にしたが上巻ではそれはまだ無い、ひたすらエドガーとワイアマンとのやり取りのさい映画や本やキリスト(バブテスト)の揶揄が出てくる、キングを理解するには、アメリカの風習やジョークの意味を知るともっと楽しめる、シャーリー・ジャスクンの作品にも言及しているその事により読むペースはどうしても遅くなり、その本や絵画に思考に行きがちになる、サルバドール・ダリの歪んだ時計や建造物が溶けて描かれた作品は秀逸である上巻では奇っ怪な事がチョビと出るが下巻では恐怖はあるのか❓2020/02/13
かずぼう
28
苦戦、だって400頁まで話が動かないんだもん、何度読むの止めようかと。そこからやっと始動。なぜ、エドガーが描く絵が人々の病を治すのか?下巻へいってみるか。2022/03/18