内容説明
本来のメルヒェンとはどんなものだったのか。グリム兄弟が書き替えていく過程でいったい何が失われていったのか。グリム童話の本源に迫るうえで欠くことのできない〈初版〉の全訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
59
全5巻の2 長靴をはいた猫、収録。でもこれって、フランスの作家ペローが創作したもの。 2版からはカット。 書版では白雪姫の悪い母は実母。 2版から継母。2023/07/10
行
8
白雪姫は、適材適所や、女は男に保護されるべきという考え方が表れていると思った。お姫様が家事などできるわけがないけれど、このお話を聞かせてもらえる少女たちは中流階級の子たちだから、自分たちに引き寄せて考えやすくするというのを念頭に置くと、口承伝承であった当時は、家事ができるという設定でも問題なかったのだろうと思われる(3版以降は、小人の一人が指南役になって白雪姫に家事を教える、という設定にして、グリム兄弟は辻褄を合わせているが)。つまり、白雪姫は姫の代表ではなく、女の代表として登場しているのではないか。2015/01/23
シルク
6
1812年に出たグリム童話の初版…を、新訳で5冊に分けてまとめたものの第2弾。「王は女の子の美しさに驚き、自分の外套にくるんで馬の自分の前にのせ、城へ連れて帰りました。/女の子が口をきけないにもかかわらず、王は女の子を心から愛し、妻にしました。…(以下略)」…昔この話大好きだったよなあ…としみじみ浸った。(←※兄達を白鳥に変えられた姫が、「棘のある植物でシャツを編んで、兄達に着せておやり。したら魔法とけるで。ただし完成するまで一切口をきかんことや」と仙女に言われ、手を血だらけにして頑張ってたら、森にやって2014/11/14
ヒラP@ehon.gohon
3
グリム童話はグリム兄弟が集めたドイツの民話集だと考えたら当たり前かもしれないのですが、類似した物語がいろいろと出てきます。まさに日本昔話の内容が、地方によって微妙に違うのと同じです。 初期のグリム童話集には、改訂をくわえるごとに形を変えていった物語の原型がふんだんにあると思います。 多少の粗雑さは、料理の素材を集めているような感じがあるのですが、初版でしか収録されていない作品も含まれていて、お得感のある一冊でした。2014/03/23
まき
2
初版のみに収録されている話もあったり重複しているけど少し違う話などが載っていたりします。あらためて童話を読むのも良いなとおもいました。2009/05/26