内容説明
宮内庁が公開した『昭和天皇実録』を丹念に読み抜き、昭和という時代、昭和天皇という存在をさらに深く記録する、昭和史研究者としての著者が満を持した試みの第2巻。
今回は二つの時代を扱う。第二次大戦敗戦期と、テロとファシズムの昭和初年である。この時期に天皇がいかに生きたかを、『昭和天皇実録』を歴史を追って読み込みながら、その都度、著者の昭和史への識見により史実を拡充して語っていく。
敗戦期においては戦争終結に向けた天皇の不退転の意志が描かれる。昭和初年には、すでに天皇と軍部の軋轢や齟齬が様々に表面化していたことが新たに明らかにされる。天皇個人の時代経験を丹念に調べ上げ、書き込むなかから、天皇と天皇制が軍事に利用された時代を批判的に振り返ろうとする著者のメッセージが浮き上がってくるだろう。
序章 軍部に抗う天皇
第1章 太平洋戦争敗戦
第2章 改元、そしてテロの時代へ
第3章 満州事変とファシズム
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
読書実践家
4
昭和天皇は平和と日本国民を愛していたのだと思った。2016/02/05
N.T
2
2巻は太平洋戦争敗戦から始まる。そして何故か昭和改元、つまり昭和天皇即位まで遡る。 この構成の意図は説明されず唐突に昭和が始まるため、ある程度近現代史を知らないとついていけず混乱してしまう。 実際自分も宮中側近等の登場人物がガラリと変わっているので混乱してしまった。 即位直後の若き天皇は遥か年長の軍人・政治家に侮られ、時に利用されながら自らの信条が反映されない現状に苦しむ。 次巻は二・二六事件や日中戦争。反乱軍の制圧を渋る軍部にキレる昭和天皇を実録がどう描いたのか気になる。2016/03/29
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