内容説明
入学早々鬱々と過ごす関口に、声を掛ける者がいた。教師も一目置く中禅寺。さらに榎木津という上級生とも知己を得て、学校生活は順調に動き出したように見えた。しかし榎木津の起こした事件に二人は巻き込まれ――？
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
92
薔薇十字叢書3冊目。中禅寺、関口、榎木津の学生時代を書いた作品。彼らの学生時代を拝めて楽しかったです。皆この頃は関口君に優しいね(笑)いつか、この時代を京極氏も書いてくれたらなぁとちょっと夢見てますが、さて。2015/10/16
優希
85
秋彦さん、エノさん、関口くんの出会いの物語。彼等は同じ高校だったことを思い出させてくれました。本編では三十路過ぎの彼等がまだ10代ということで若いですね。初々しさがあります。物語としては学園ミステリーの冒険譚といったところでしょうか。秋彦さんが爽やかなのが意外です。そして本編に登場しないお兄様！御都合主義的ですけど、3人の馴れ初めが見れて楽しかったです。2015/10/22
Bugsy Malone
73
京極さん公認とはいえ、他の作家さんなので期待半分不安半分で読み始めたものの、久し振りに会えた京極堂や榎さん、関口は、一高時代の若き姿で、何だか懐かしくて嬉しくて、あっという間に読み終わってしまいました。3人の出会いを描いた物語、京極堂のほうっては置けない性格も、榎さんの優しさも、関口の真っ直ぐさ？も、微笑ましくって暖かくて。面白かったです。読んで良かった。2017/02/27
カナン
53
作者公認のシェアード・ワールド企画第二弾。またも初めましての作家さんでしたが、ペンネーム自体が百鬼夜行の登場人物から取ったものという筋金入りの京極氏のファンだそうで、内容もファンなら読みたくない者などいないだろう彼らの学生時代ストーリー。本編では三十路過ぎの男性陣ですけれど、やはり十代流石十代、皆性格が若く幼い！（笑） あっけらかんとした素直さや拙さは原作を知っていると少々違和感があるけれど、十代で中禅寺と榎さんの人格が完成されていても怖いし、戦前でまだぎりぎり青春を楽しめた世代だと思うとこれもありです。2015/10/19
瑞佳
51
からくり自体は本家に敵わないとしても、二次創作の醍醐味でもある“妄想を共有する”という点では楽しんで読めました。わりに健全なセキくんも意外に良く笑う京極堂もやけに優しい榎さんも、（たとえそれが青春の日であったとしても）まあ本家ではまず読めませんものねー。京極堂と榎さんとのテンポのいい会話も楽しかったし、まさかの「藤牧」登場にも思わずニヤリ。もっともあんなに闇のないセキくんだとその後の展開がちょっと想像しづらいけれど（ω）全体的に明るく気恥ずかしく甘酸っぱい。まさに妄想のなせる業やね。おもしろかったわん☆2016/11/24
