内容説明
薩摩・長州・筑前を護衛に従えて、新政権の奥羽鎮撫総督が仙台に派遣され、会津討滅が命じられた。62万石の雄藩は混乱し、親政権派、親会津派に藩論は二分された。士道に生きる仙台藩士として、細谷十太夫は立ち上がったが……。奥羽越列藩同盟と新政権との死闘と、豪気な指導者像を鮮烈に描く、傑作長編。転換期の鮮烈な指導者像。魔風の如く暗夜に馳ける、男の意気を描く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
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1998年6月6日初読
韓信
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戊辰戦争において、侠客や農民で構成される民兵部隊・衝撃隊(通称からす組)を組織してゲリラ戦を展開した細谷十太夫の戦いを活写する歴史小説。颯爽たる快男児として描かれる十太夫像が、往年のしばりょー作品のように昭和の歴史小説然としているし、薩長が極悪非道の悪役として単純化される点も含めて時代を感じさせるが、小気味よい展開も相まってぐいぐい惹き込まれる面白さ。細谷十太夫自身にも興味が湧き、生い立ちや北海道の開拓など戦後の活躍も知りたくなるが、小説としては戊辰戦争に限定した方が完成度が高まるのでこれで正解か。2024/04/30
Haru
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★☆☆☆☆先祖がからす組に関わってたらしく、読んでみた。会津は別として、幕末の状況を東北を舞台に考えることがあまりなかったので流れとしてはおもしろかったです。男性主観なところは1989刊行とのことで仕方ないでしょう。社会は常に変わりつつある。2019/09/20