内容説明
日々さくらの木を見守り続ける老齢の植木職人と、その木にまつわる悲恋を描く「さくら」。女房に間男がいることを知った朝顔売りの懊悩と、男女の機微を取り扱った「いい女」ほか、市井に溢れる人情を描く、時代短編シリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんぶん
10
【図書館】頑固に桜を咲かせ続ける桜守を老人を描く表題作をはじめ、漆塗りの意地を見せる「塗師」夫婦の奇妙な心の動きを書いた「いい女」大店の跡取り娘の数奇な運命を力強く綴る「ひかりありけり」商人の喜怒哀楽を描く短編集。 どれも良いが「ひかりありけり」のハッピーエンドに喝采しました。2015/11/28
よっしー
10
実際に起こっていてもおかしくないような、当たり前の日常の一部を描いたような短編集。今回は全体的にしんみりとするお話が多かったように感じます。 救いがあるようで、救われない。だからこその人生なんでしょうね。2015/09/11
klu
7
今回は悲しい話が多かったですね2015/05/09
はる
5
本当に、江戸の町人達の日常短編集。 塗師、八百屋、花売り、庭師の話。 3話めのいい女だけ、ダブル不倫の話で、身もふたもない感じだったけど、後の3話は、童話のような悪い人が最後は地団駄を踏む的な内容で楽しめた2019/09/03
山内正
2
塗師作之助が妬まれ騙し仕事で引っかかる 馴染の芸者が離れて行く中己を失わずに切り抜ける話 父親が再婚したら継母から虐められるが傍で見ていた人達がやがては旗本の 嫁になる話 恋女房が浮気してる噂が聞こえる。やがては商売にも身が入らず浮気の現場を探すが見つからす妻は何もなく装う事で 気が切れてしまう男 人知れず苦しむ人が堪らない描写がいい2018/03/26