中公文庫<br> 韃靼疾風録 (上)

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中公文庫
韃靼疾風録 (上)

  • 著者名:司馬遼太郎【著】
  • 価格 ¥963(本体¥876)
  • 中央公論新社(2015/10発売)
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  • ISBN:9784122017719

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内容説明

なぜか九州平戸島に漂着した韃靼公主を送って、謎多いその故国に赴く平戸武士桂庄助の前途になにが待ちかまえていたか。「十七世紀の歴史が裂けてゆく時期」に出会った二人の愛の行方を軸に、東アジアの海陸に展開される雄大なロマン。第十五回大佛次郎賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

101
面白かったです。司馬さん最後の長編小説。愛と歴史の物語に引き込まれました。平戸に漂流してきたアビアを祖国に連れて行くために翻弄する庄助。その様子は東アジアを舞台にした冒険譚という雰囲気を感じさせます。前途に何が待ち構えているのかドキドキしました。韃靼、蒙古、明の運命、鎖国の策を可決した日本。文化と文明と歴史の波の中に投げ込まれる庄助とアビアのロマンスはまさにドラマになっていくことでしょう。手描きの地図がいい味出してます。下巻も読みます。2017/07/21

たつや

59
ふりがながなければ自分には読めないタイトル。なかなかあ読む気も起きなかったが、いざ読みはじめると、入江から始まるので、「菜の花の冲」のスピンオフ?とおもうと全然違う。島に漂流したお姫様を自国に送り届けるというまるで昔話かおとぎ話のような展開にドキドキが止まらない、昔の人は、よく異国の人とお互いに交流できたなと感心する。2016/11/20

キムチ27@シンプル

56
疾風とは言い難いほど、ゆったりした大陸風展開。主人公庄助の口を司馬先生が借りてぼやく様な流れでやっと度島御料人ことアピアを抱くまでの長い事!昔、韓国ドラマに酔いしれていた時期、7C日本に朝貢まで来た渤海・それを滅ぼした契丹に結構興味を持ち、完璧に出鱈目な韓国ドラマの実情に気づき冷めた記憶がある。そんなこんなで長い上巻も楽しく読み切った。時は江戸初期。浦島じゃないけど韃靼に旅するうちに祖国は鎖国へ入りはて、どうなる事やら?倭とは獣に近い意。実際にもあったであろう異民族とのコミュニケイトのゾクゾク感…2018/04/26

kawa

55
女眞国(後の「清」)に、貴人の姫を送り届ける役目を命じられた平戸藩・桂庄助を通して17世紀の北東アジア(中国・朝鮮・マンジュ・日本)の動乱を描く。司馬先生は当時の朝鮮を「礼国の国であることを自負してきた。しかもその官学は物事を分析してやまない朱子学という口やかましい形而上学なのである。この論者の通弊として、実情を忘れて論じあい、相手との間に異があればそれを拡大として相手を罵倒するか、議論は結局は空中の閃光に似て、地上の問題の解決がなおざりになるふうがあった。」と評する。今その白昼夢を見ているような気も。2019/09/04

優希

52
再読です。司馬さん最後の長編ということからではないですが、好きな作品ベスト3に入ります。愛と歴史の物語が繰り広げられる物語。平戸に漂流したアビアを祖国に連れていくために動く庄助ですが、それが前途多難で冒険譚のようでした。韃靼、蒙古、明の運命と鎖国の決意をした日本。文化と文明の中に溺れていくアビアと庄助の愛はドラマチックになっていくのにロマンを感じずにはいられません。下巻も読みます。2022/04/24

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