人体六〇〇万年史 上──科学が明かす進化・健康・疾病

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人体六〇〇万年史 上──科学が明かす進化・健康・疾病

  • ISBN:9784152095657

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内容説明

非力なヒトはなぜ厳しい自然選択を生き残れたのか。走る能力の意外な重要性とは何か。脂肪が健康を害するなら、なぜヒトの体は脂肪が溜まりやすくできているのか。2型糖尿病など、現代人特有の病はそもそもどうして現れたのか……。人類進化の歴史をさかのぼることは、不可解な病がどこから来たのかを教え、ヒトの未来を占うことにもつながる。「裸足で走ることへの回帰」を唱えて名を馳せた進化生物学者リーバーマンが満を持して世に問う、人類進化史の決定版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zirou1984

23
これはスゴ本。現代の生活習慣病と言われる病気の多くは人体の進化と文明のミスマッチを考え、人類「以前」の進化から私達という種がどのように自然へと適応してきたかを辿り、600万年というスケールで「なぜ人はダイエットに失敗するのか」を解き明かす。上巻では先史時代から農業~産業革命までというこで、人体が2足歩行に進化したことの恩恵や農業の開始が生活習慣病の始まりでもあるという視点は興味深く、人類という種は他の哺乳類に比べ異様なほど脂肪が多いのは同じく巨大な脳へのエネルギー供給のためというのは驚きの話だった。2019/01/22

ヨクト

22
人類進化生物学のノンフィクション。内容はしっかりとしていて面白いし、それでいて読みやすかった。脳の巨大化と腸の縮小化。二足歩行のエネルギー効率。多くの進化が詰まった人類史。その代償として、進みすぎた環境とのミスマッチ、それが生み出す近代病。下巻に続く。2016/03/29

ネロ

19
興味深い。人類史を掘り起こすことで人の、進化・健康・病を探る一冊。ミッシングリンク(未発見)のチンパンジーと人類の最終共通祖先から始まり、720〜600万年前の最初の人類サヘラントロプス・チャデンシスから、続いてアウストラロピテクス、エレクトス、最近(約3万年前)まで存在していた人のいとこであるネアンデルタール人。彼らの痕跡を追うことで人間の進化を紐解いていく。二足歩行、鼻、脳、足...自然選択圧により様々な進化を遂げる人間。しかし、進化は人を健康にするためのものではない。あくまでも繁殖、生存するためだ2022/09/22

tama

19
図書館本 チンパンジーの歩き方より人間の方が燃費がずっといい!チンパンジーは1時間に1キロ食い二時間ほど待ってまた食べる!著者の先生は自分とこの学生に年一度、石器を作らせ山羊を屠らせ皮を剥がさせ肉を取らせる!暑さに強く長距離走が得意な人類は獲物が熱中症で倒れるまで追いかけた!(ワタシなら獲物より先に倒れるわ) 人類は脳と腸の大きさ比率を変え、エネルギーの使い道を大転換!人類の未成人期間が長いのはひたすら脳の成長・発達が目的。ということは、精神未熟大人は人類じゃないって考えてよいのかもな。2015/12/20

Tui

17
理系の翻訳本はどうも身構えてしまうが、どっこいとても読みやすい。福岡伸一さんの文章を思わせる、というと言い過ぎだけど、翻訳独特の硬さがまったくない(先月読んだ「この世界が消えたあとの〜」はキツかった…)から、訳者の腕が見事なんだろうな。人間が二足歩行をして二本の手が余ったことと、道具を製作する生活を選択したこととの必然性の‘なさ’とか、食事を良質なものに切り替えることによって大きな腸を大きな脳と交換したとか、面白いなー。本著の中核となる理論、進化ミスマッチ仮説への本格的な潜入を予感させつつ、下巻へ続く。2016/04/29

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