人体六〇〇万年史 下──科学が明かす進化・健康・疾病

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人体六〇〇万年史 下──科学が明かす進化・健康・疾病

  • ISBN:9784152095664

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内容説明

非力なヒトはなぜ厳しい自然選択を生き残れたのか。走る能力の意外な重要性とは何か。脂肪が健康を害するなら、なぜヒトの体は脂肪が溜まりやすくできているのか。2型糖尿病など、現代人特有の病はそもそもどうして現れたのか……。人類進化の歴史をさかのぼることは、不可解な病がどこから来たのかを教え、ヒトの未来を占うことにもつながる。「裸足で走ることへの回帰」を唱えて名を馳せた進化生物学者リーバーマンが満を持して世に問う、人類進化史の決定版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヨクト

28
面白かった。下巻は人類の進化史を踏まえた上で、現代の環境とのミスマッチの現状を分析。かつてはほとんど見られなかったが、近代において問題となっている肥満、糖尿病、骨粗鬆症、近視、アレルギーといった内容について。エネルギーの過剰摂取と慢性的な運動不足が、現代人を蝕む。関係ないですが、最近ぼくの読書量が落ちてきているのは、仕事が忙しいのと、スポーツジムに通いだしたためです。2016/03/31

zirou1984

24
下巻は更に面白い。「なぜ人はダイエットにこんなにも失敗するのか?」を人体600万年の視点から解き明かしていく語りには快楽すら感じられる、最高の健康啓発本。人類の肉体は何百年もかけた旧石器時代へ適応されたままであり、約300世代前に誕生した農業革命、そして300年前からの産業革命による生活にはミスマッチを孕んでいる。そして文化は遺伝子よりも早く進化を進め、遺伝子は繁殖を終えた肉体には冷淡だ。「つまりどう見ても、人間はたっぷり脂肪を蓄えることに適応している」という悲しい事実の先に、驚きの見地が待っている。2019/01/23

tama

20
図書館本 続きで いやー読んだ読んだ。農業始めて罹りだした病気に人体が対抗できる遺伝子変異が結構ある!筆者の祖父さんはポグロムを逃れてUSAに渡り学校に通って医者になったが、医者をやってた時期に乳幼児死亡率が1/10に激減した。仕事を誇りに思うのは当然だなぁ。今の食べ物は「工業製品」。2000年までの15年間にUSAでの「糖と菓子の価格は25%、油脂類は40%、炭酸飲料は60%安くなっている」太らないわけがない!現在食糧不足の人口は8億、過体重肥満は16億!「フルーツジュースはしょせんジャンクフード」。げ2016/01/06

ネロ

19
進化生物学の視点から現代の病気がなぜ存在するのかを考察していく。下巻では農業革命と産業革命を経て現代へ。上巻で見てきた様に、人類は狩猟採集と飢餓に適応した生き物。自然選択によって身体を動かすことと飢餓の環境に適応し、身体が進化し生き残ってきた。しかし農業革命以来、様々なミスマッチ病が現れ始める。虫歯、アレルギー、骨粗鬆症、乳がん、扁平足。椅子に座る、靴を履く、砂糖を摂るなど普通であたり前のことが実は身体には有害であり、快適で便利は健康と結び付いてはいない。親より長生きできない初めての世代が迫っている。2022/10/04

Tui

19
上巻に続き、進化ミスマッチ仮説が展開されます。Ⅱ型糖尿病や骨粗鬆症をはじめとした病気の多くは、著者によると‘文化的進化’によって引き起こされているとのこと。ならば、その解決も文化的進化によって可能ではないかと期待を寄せています。これは、進化学的に人の身体の造りを理解し、身体に合った生活習慣や社会環境づくりを目指してゆくという考え方。要は、医学だけじゃ限界あるでしょ?ってことですね。未病の概念と合わせて提案すれば、かなり広まるんじゃないかな。2016/05/30

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