内容説明
剣峰成(つるみねなる)は退屈していた。都内屈指の進学校にもかかわらず、クラスメイトは凡庸な生徒ばかり。目指す高みには到底たどり着けそうにない……。そんな成の前に現れた少女、太刀杜(たちもり)からん。彼女との出会いをきっかけに、成は鷹司(たかつか)高校の真の姿を目の当たりにする。論理と論理をぶつけ合う学園裁判。殺人と暗号。連続密室爆破事件と犯人。若き才能が放つ、青春×本格ミステリの新機軸。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
🐾Yoko Omoto🐾
157
円居作品初読み。清涼院流水氏のJDCシリーズを彷彿とさせる凝ったディテールと良い意味で芝居懸かった世界観に大満足で読了。“現衛庁”“九哭将ナインテイラーズ”“日本探偵公社”“十格官デカロゴス”などの設定や名探偵として名を馳せる人物たちの名前までその如何にもさ加減が何ともツボ。僅かな手掛かりや違和感から真相を暴く本格ものでありながら、所謂犯人当てのパズラーとは異なる。“対戦相手との頭脳を駆使した心理戦”に重きを置いたコンゲーム的な論理の応酬は非常に秀逸。残る謎はまだ多く今後の展開やスピンオフも楽しみ。2015/06/23
takaC
127
タイトルのシャーロックが意味不明。キャッチコピーとしては悪質。2017/05/02
ひめありす@灯れ松明の火
122
タイトル(なんせシャーロックだ)と作者(ずっと気になってた)と装丁(片山さん!)とお値段(文庫だから)と諸々条件そろって購入。買って良かった学園青春ミステリ!これから尻上がりに良くなっていく感じがします。発展途上の青い名探偵。成長を見守りたいです。一話目は単純に理論ゲームとして面白かったし、二話目はクライムノベル風。はらはらしました。三話目は初めての戦い。それぞれ少し毛色が違うのが面白い。短編もいいけど、がっつり長編で合宿とかも読んでみたいです。「我らが祖、シャーロックの名にかけて問う。汝は稀人足るや?」2015/06/27
よっち
72
都内屈指の進学校に入学した剣峰成が太刀杜からんと出会い、名探偵を目指し学園裁判に挑んだり、因縁ある連続密室爆破事件と犯人と遭遇してゆくミステリ。本作は探偵に存在感があるやや独特な世界観で、彼らの通う鷹司高校も実際は探偵養成学校の趣。人物名が難読ですが(苦笑)曰くつきの過去を持つ成だけでなく、他の登場人物たちもそれぞれ一癖ありそうな感じで、話の中でうまい感じに様々な説明を挿入しつつ、個性的なキャラたちがテンポよく動くストーリーは展開も早くなかなか面白かったですね。続きも期待できそうですし、次巻も楽しみです。2015/04/13
hnzwd
72
円居さんの新シリーズ?技名や、特徴的な名前などはこれまでのシリーズとの共通点も感じる出来でした。シリーズ化が期待できる一作。主人公も含めて、登場人物のキャラクターが米澤さんの学園ものに近い印象が、、。2015/04/01