内容説明
〔神風吹かず〕一九四四年七月、東条内閣が総辞職する。アメリカ軍はレイテ島に上陸。フィリピン沖海戦では神風特攻隊が初出撃するが大敗、日本海軍は事実上壊滅する。本土空襲が次第に激しさを増すなか、硫黄島が陥落、不沈戦艦〈大和〉もあえなく沈没――いよいよ敗戦の色が濃厚になってくる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
60
レイテ沖海戦からレイテ島の攻防戦、硫黄島、そして沖縄戦の端緒までを書く。インパールはあっさりと触れているが、チャンドラ・ボースの動きに注目しているのが面白い。またいわゆる大陸打通作戦について、意義を認めるような記述となっている。東京大空襲や各戦場での状況は、多くのインタビューの成果が出ていて、戦争の悲惨さを淡々とだが十分に表現している。ヤルタにおけるルーズヴェルトとスターリン、そしてチャーチルの関係はあまり踏み込んでおらず、ここは他書で補うべきか。全体に「フェア」な視点の戦史であり、今も読む価値ありだ。2022/07/18
けやき
40
【再読】アメリカ人著者による太平洋戦争のノンフィクション。4巻。東条内閣の総辞職から鈴木貫太郎内閣の組閣まで。米軍のレイテ上陸、硫黄島の死闘、東京大空襲を経て、戦艦大和の最期、沖縄戦まで。ルーズベルト大統領の死去も含む。2024/08/16
てんちゃん
33
フィリピン沖での連合艦隊の事実上の壊滅、硫黄島の陥落、東京大空襲、沖縄本島はの連合国軍の上陸――。全く勝ち目のない戦いに挑む様子は読んでいて辛い。この巻では戦艦武蔵の最後についても記載されていたが、読書中にBSで「戦艦武蔵の最後」の再放送を視聴。現在ご存命の武蔵の乗員だった方が、武蔵の撃沈後、生き残ったにも関わらず口止めのためか日本にも返してもらえずそのままフィリピンの激戦区に送り込まれたことを語っていた。この本を単なる小説のように読み進んでいた自分を恥ずかしく思った。ほんの少し前にあった「事実」なんだ。2017/01/30
けやき
28
太平洋戦争のノンフィクション。四巻。東条内閣の総辞職から鈴木貫太郎内閣の組閣まで。米軍のレイテ上陸、硫黄島の死闘、東京大空襲を経て、戦艦大和の最期、沖縄戦まで。2016/08/13
植田 和昭
11
再読。20年くらい前に読んだかな。日本軍の捕虜に対する扱いがひどい。東條内閣から小磯内閣へそして鈴木内閣へと和平に向けて組閣されていく。フィリピンでの決戦は、天皇への和平への決断を仰ぐものではなかったのか。特に神風攻撃は時局がここまでに至ったと思わせるものではなかったのか。しかし、陸海軍の本当の思惑通りにはならず、沖縄戦へ。これが最後の決戦と大和以下の水上特攻と大規模な神風攻撃をするが、天皇はまだ決断できない。時局を収拾するには、原爆投下とソ連参戦が必要だった。サイパン陥落でチエックメイトだったのだが。2024/08/18
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