内容説明
〔死の島々〕ミッドウェー海戦で四隻の空母を失うなど日本軍は大打撃を受ける。一方勢いに乗る連合国は要衝ガダルカナル島に上陸。日本軍は死闘の末、撤退を余儀なくされる。一九四三年四月、連合艦隊司令長官山本五十六がソロモン上空で戦死、同七月、サイパン島玉砕。戦況は悪化の一途をたどる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
64
第3巻はガダルカナルからサイパンへ。いわゆる「飛び石」作戦の些細な部分はかなり端折って、ガダルカナルとサイパンに重点を置いた記述。やはりガダルカナルは分岐点で、戦力の逐次投入を従軍記者が指摘したくだりは、日本軍の弱点を浮き彫りにする。川口と辻の確執もすざまじい。サイパンのところでは生き残った人々の証言が重い。こうした中にさらっと連合国首脳の丁々発止の交渉とか、アジアからの視点が強調された大東亜会議などが挟み込んである。この点本書出版時の日本の歴史家達が「侵略の方便」と片付けがちな問題を上手く捌いている。2022/07/14
けやき
38
【再読】アメリカ人著者による太平洋戦争のノンフィクション。3巻はガダルカナル島の攻防から山本五十六の最期を挟んで、サイパン島の陥落まで。 2024/08/13
けやき
35
太平洋戦争のノンフィクション。三巻はガダルカナル島の攻防から山本五十六の最期を挟んで、サイパン島の陥落まで。 読んでいてつらくなる場面もありましたね。戦争はきれいごとではないんだよね。2016/08/02
てんちゃん
33
著者の視点はとてもバランスが良い。日米それぞれの軍部や政治部の主要人物の個性や人間関係、世界情勢などを平等に書いてくれています。太平洋戦争の全体の大きな流れと共に個々の小さな出来事や名も知れぬ人の最後なども書いてくれているので、歴史上の出来事がリアルに感じられます。著者の描写はノンフィクションらしく抑制されたものですが、今巻ではサイパンで生き残った日本人看護婦と一人の民間女性の描写だけ少し感傷的です。サイパン島で崖下の海上に漂う集団自決した大量の日本人遺体を前にして、アメリカ人将校が呟いた一言。↓2017/01/26
植田 和昭
11
何回読んだかなあ。ガダルカナルの辻参謀、川口少将を計略にかける。色々なところに顔をだしては、現場を大混乱に陥れる。戦後は、戦犯裁判を逃げ回って衆議院議員になり最後はラオスで謎の失踪。ノモンハンから始まりシンガポール、ガダルカナルと自称作戦の神様は、暗躍する。NHKで遺族にインタビューするのがあったけど全然反省してなかったなあ。むしろ被害者みたいな物言いだったぞ。サイパン陥落。これでようやく和平に向けての組閣に入るが、本土空襲は目の前だし、遅すぎ。国民に敗戦を納得させるために空襲させたという話もあるが。2024/08/24