内容説明
手術は傷ついた体を、元に戻してくれるものではないことを知る。術後の体の変貌に私は恐怖した。
脊髄の神経を触る手術は「分かったか? こうなるのや!」
夢で聞こえてくる脅しのような声に未来を拒んだ。術後もまだベッド上でウンチもシッコも紙おむつを敷いた上で出していた。
明日が想像できなかったが、リハビリは容赦なく始まった。ベッドの端に座り足を下に下ろしたのは始めてだった。ぶらんぶらんと、ただ垂れ下がった肉の塊だった。筋肉を失うということを体感した。靴なんかとても履けやしない。自分の手で自分の足に靴を無理やり履かした。真っ白なバレーシューズ! 小学生の時の上履きを思い出した。惨めな自分しか想像できなかった。
息子がいなかったら、今の私はいなかった。
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