内容説明
すべての『陸』は、水底(みなぞこ)に沈んだ。透き通る蒼い海と、紺碧の空。世界の全てを二つの青が覆う時代、『アフター』。 セイラー服を着て『海の男』として生きるボクは、両親の形見・愛船パラス号で大海を渡り荷物を届ける『メッセンジャー』として暮らしていた。そんなボクに、この大海原は気兼ねなくとびきりの『不運』を与えてくる。 ――『白い嵐』。 無情にも襲いかかる自然の猛威。それは、海に浮かぶ全てを破壊した。 愛船パラス号を失い、ボクが流れ着いたのは孤立無援の浮島。食糧も、水も、衣服も、何も無い。あるのは、ただただ広がる『青』。ここに、助けは来るのか、それとも―― それは、いつ終わるとも分からない。ボクの『生きるための戦い』。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シータ
67
こういう海洋冒険ファンタジーは久々でしたがよかったです。これは大賞ですわ。生きることがこの作品の何よりのテーマであるのですが、海の素晴らしさと無慈悲なまでな過酷なことを描いて主人公のアキの生き様をしっかり見させてもらいました。それにしてもかなり百合百合してたな。いいぞもっとやれ!臆病だったアキが親友のタカを助けに海賊に立ち向かった姿には感動しましたわ。あと表紙にもいるキーちゃんが退場には泣いてしまったよ……。2015/03/14
まりも
64
全ての国境が水平線へと変わった時代「アフター」。そんな時代にメッセンジャーとして生きるアキの物語。何もない無人島で必死に生き、友との別れや新たな出会いを通して成長していくアキの姿から「たくさん生きろ」という言葉の重み、命の大切さが伝わってきました。タカちゃんとの百合百合しいイチャイチャもイイね。ただ後半の出会いがご都合主義すぎるというか、そのせいで物語前半で感じた感動が薄れてしまったのが残念。他にも色々と粗さはありますがアキが今後どのような出会いと別れを経験するのかに期待してます。2015/02/12
友和
55
ほとんどが海の世界で生きるガール・ミーツ・ガール小説。。キャラが生き生きしてよかった。2015/02/18
蛇の婿
45
冒頭、読み始めてすぐに、ちょっとした邪念が頭に浮かびました。世界が水底に沈んだ世界、船に乗る少女、と来て、これは元ネタはもしかして『ノアの箱舟』『世界を滅ぼす洪水』なんではないのかなー、とw どっこい人間はしぶとく生きてるぜ!みたいな。…まあ、読んでみたらその辺の原因は割りとどうでもよろしいみたいで個人的にすごく安心しましたw キーちゃんのシーンが素晴らしい。2015/03/08
半熟タマゴ
43
最初は世界観に馴染めなくて読み辛く感じる部分もあったけど、タカが出ててきたあたりからは気にならなくなった。序盤はなんといってもキーちゃんの存在が大きい。表紙の印象からは想像もできない展開で。助かって欲しかったというのが素直な気持ち。2巻でもアキは再び漂流するんですね。しかも新キャラと。アキとタカの二人の旅はしばらくは読めないのかな。2015/03/05
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