内容説明
居飛車穴熊を粉砕せよ!
振り飛車党にとって最大の脅威である居飛車穴熊。居飛車穴熊の出現により振り飛車苦難の時代が始まり、プロ棋界では角道を止める振り飛車が絶滅寸前という状況にまで追い込まれました。しかし、独自の研究を頼りに居飛車穴熊に屈せず戦い続けた振り飛車党もいます。矢倉流中飛車の使い手、矢倉規広七段もその1人です。
本書では、10年以上にわたる矢倉七段の独自研究のすべてを1冊にまとめています。まさに”居飛穴対策の最終兵器”です。矢倉流中飛車の特長としては、「主導権を握れる」「堅さ負けしない」「現代的で勝ちやすい」といったことがいえます。矢倉流中飛車は居飛車穴熊が組み上がる前に自ら仕掛ける手順が主眼です。居飛車穴熊は必然的に受け身にならざるを得ず、ハッチが閉まる前に仕掛けられてしまっては堅さ頼みの逆転劇も期待できません。また、本書は矢倉流中飛車を後手として解説しています。先後問わず自分の形に持ち込めるのは大きな強みです。スペシャリストだけが知るとっておきの手順をマスターし、何も知らない居飛穴党を撃滅しましょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hk
17
矢倉流中飛車とは、古色蒼然とした中飛車の構えから居飛車穴熊を一気呵成に攻略する「振り飛車党のロマン」だ。さかのぼることおよそ干支ひと回り程むかし、関西の棋士を中心にちょっとしたブームが起こる。だが居飛車側に「▲4五銀」という絶妙手が発見され、これが頂門の一針となり矢倉流中飛車は盛衰していった。矢倉流中飛車受難の時代。だがその間にも創始者である矢倉七段だけはこの戦法にこだわり続けた。本書はそんな矢倉七段による矢倉流中飛車虎の巻だ。「▲4五銀をめぐる攻防」を中核に据え、「奥の手」まで披露している力作だ。2017/10/19
kinaba
0
ほとんど飛車を別な筋に振り直しているので、中飛車というよりは64銀型の対穴熊手筋集という趣2016/05/16