- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
「中国の歴史は一代では語れない。この書物は『中原の虹』のすばらしいテキストです。」――浅田次郎。軍閥の長の父、国共合作の立て役者の子。「傀儡国家」=満洲国総理の父、反日活動家の子。「売国奴」と「英雄」の運命を分けたものは何か。運命の地、満洲を舞台に、歴史の転変に翻弄された5組の父子の数奇な生を描く。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みなみ
6
「漢奸」と呼ばれた人物の二代目まで描く評伝。最初は張作霖と張学良。まあそうでしょう。汪兆銘とか来るのかと思ったら、満州の官僚や張作霖グループといった満州を巡る人たちでまとまっていた。日本とは世間の「二代目」の捉え方が違ったり、科挙制度の在り方と影響についても考察されたり、中国人社会とはどういうものなのかを知ることができて良かった。周恩来が主導した戦犯の「再教育」についても触れられており、人物の評伝だけではない。KindleUnlimitedで読了。2025/02/08
おらひらお
3
2008年初版。5組の親子(張作霖・学良、張景恵・紹紀、王永江・賢韋、袁金鎧・慶清、于冲漢・静遠)を取り上げ、張作霖政権期、満州国期、満州国崩壊後の漢奸期の変遷を見ていく。5組ともそれぞれ特徴があるものの、ページ数が足りず選書としての限界を感じた。張作霖の成長過程や人としての器が垣間見られたのは興味深い。また、現在の体制を絶対的に正しいとする中国では、内容はどうであれ、満州国関係者は許されざるものとして歴史に翻弄されているのが悲しい。日中双方向からの満州国研究が求められるが、無理かな。2011/09/21
②
1
袁金鎧や于冲漢等漢奸と呼ばれる人々に焦点を当て、各人の概略についてまとめた一冊。2015/12/23
Takeshi Kubo
1
本書では、満洲事変前〜満洲国崩壊に至るまでの期間、現地人政治家や軍閥のトップといった人物について彼らがどのような経歴を持ち、そして激変する情勢に如何に対応したのかについて、父子という枠組みから論じられています。この辺りの時代を研究している身ですが、現地人について全くと言ってよいほど知らなかったので、非常に参考になりました。2014/01/10
コカブ
0
満州国に関わった現地勢力を扱った話。張作霖・張学良親子(奉天軍閥)、張景恵・張紹紀親子(父は元張作霖の馬賊仲間で満州国の国務総理になり、息子は共産党に内通していたために戦後も日の目を見た)、王永江・王賢い親子(父は奉天軍閥の元で実務官僚を勤め、息子は満州国で官吏となった)、袁金鎧・袁慶清親子(父は奉天軍閥の元で官吏となり、息子も満州国の官吏となった)、于沖漢・于静遠親子(父は日本語を解したことから日本との交渉窓口となって満州国建国にも参画し、息子は満州国で官吏となった)を扱っている。2014/06/15
-
- 電子書籍
- 坂本龍馬 ゆかりの地を歩く - 15の…
-
- 電子書籍
- 覇者の三剣5 富士見ファンタジア文庫