内容説明
本庄が命と引き替えに手に入れた“爆弾”を託された真舟と美由紀は関西最大の広域暴力団と組み、世界の株式市場を相手に壮絶な仕手戦を仕掛ける。期限はわずか三週間。そして石は暢人の命と『M資金』の未来を背負い、ただ一人ある舞台へと――。人間への信頼を高らかに謳い上げる一大巨編、ついに完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
180
最終巻。期待値は下がりまくっていたが、アクションもあり、人物たちの決意も重く、殺し屋との最終決着は手に汗握った。想像よりずっと楽しかった。国連ビルへ向かう追跡劇は場面が眼に浮かぶリアルさで、仕手戦での相手を出し抜かんと知恵を絞るチェスのような戦いも見所。資本主義に関する福井氏の怨念も今回は何だか軽めに読めた。 後日談も、この長い物語の終わりにふさわしい余韻。2019/08/13
gonta19
117
2016/11/23 Amazonより届く。 2022/7/28〜8/14 最後は怒涛の展開。ではあるが、人類資金のコンセプトが自分にはイマイチ響いてこなかった。2022/08/14
KAZOO
84
やっと第7巻が出ましたが、この巻だけでもいいような感じです。というか前の6巻の内容はもうすっかり頭のかなたへと飛んでしまっています。この巻だけで前の3冊分くらいありそうです。どちらかというか活劇的な場面よりも経済戦争的な感じで作者はよく勉強されたというのが第一印象でした。ですから時間がかかったのでしょう。やはり全体像を把握したいということでもう一度最初から読んでいこうと思っています。2015/07/22
starbro
74
最終巻が何時出るのかと待っていたら2年が過ぎてしまいました。2年かけて全7巻、1,750P超完読しました。但し、結論からするとハズレです。人類(M)資金はミステリアスで魅力的なテーマです。本作のもう一つの大きなテーマは経済ですが、福井晴敏が経済音痴なのか活き活きとした経済のダイナミズムが全然見えてきません。また冗長になり過ぎて物語が響いて来なくなってしまったのではないでしょうか?非常に残念な作品です。2015/10/15
HANA
65
シリーズ最終巻。だらだらと今までの回想や一族の因縁が語られていた全二巻とは違い、一気に物語は動き出す。前段階としての仕手戦やある場所を目指すための戦いや妨害する清算人との決着等、読みどころは十分である。ただM資金運用の目的とその目指すところ、そして決着についてはどうしてもデウスエクスマキナ的なファンタジー感じてしまうなあ。自分ハッピーエンドも好きなので、十分受け入れられる範囲であるけど。あと著者もだけど日本人全体が最後の舞台に思い入れ多すぎだと思う。昨今の騒動でそこを支えるシステムの破綻は明らかなのに。2022/10/07