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内容説明
二十世紀を代表する二つの思想――実存主義と構造主義。この「実存」と「構造」という概念は、実は表裏の関係にあり、人生に指針を与え、困難な時代を生きるための思考モデルでもある。同時代的に実存主義と構造主義の流れを体験してきた作家が、さまざまな具体例、文学作品等を示しつつ、今こそ必要な「実存」と「構造」という考え方について、新たな視点で論じていく。
目次
プロローグ(人生の指針としての思考モデル
文学を読み解く知的ツールとして)
第1章 実存という重荷を負って生きる(宇宙の秘密に触れた医学生
「それでも地球は動く」と実存はつぶやく
天才少年パスカルの物語
宇宙と対決する「考える葦」
自由という刑罰を負わされた近代人
虫ケラのように生きるしかない近代人
国家という壁の前で立ち尽くす人間)
第2章 実存を包み込む国家という概念(近代哲学は民衆を救えるか
国家を支える人倫という概念
全体主義に対する異議申し立て
領域を踏み越えていく人間の孤独
異邦人……袋小路に迷い込んだ実存
孤独な実存が感じる窮極の感覚は吐き気
実存という言葉はどこから来たか
肥大化する国家と実存の対立)
第3章 隠された「構造」の発見(構造は目には見えない
隠された構造があらわになる
自然淘汰によって生き残る物語
生活の中に隠された構造
わたしたちは構造の中に生きている
オイディプス王の孤独と救済
神話的手法とは何か
悩んでいるのは自分一人ではない
日本にもあった構造主義小説)
第4章 実存から構造へ――大江健三郎の場合(日本における実存主義文学
私小説は実存主義文学の宝庫
実存主義と新たな文学の息吹
袋小路で苦悩する実存
挫折感をもった「ダメな自分」というキャラクター
万延元年という巧妙な仕掛け
構造主義は私小説にも応用される
実存と構造が結合した奇蹟のごとき作品)
第5章 実存から構造へ――中上健次の場合(戦後生まれの文学が始まる
転機となったフォークナーとの出会い
路地という閉ざされた空間
意図的に組みこまれた神話的構造
盆踊りに隠された構造の原理
構造的手法によって導き出されるもの
大作を書き終えたあと作者はどこへ行くのか
新たな神話の構築に向けて)
エピローグ(標本箱の中の小さな虫ケラとして
この本のあとがきとして)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シッダ@涅槃
佐島楓
Bartleby
ともすけ
よし
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