内容説明
鉋(かんな)職人の勘助は長屋で婚礼の送り膳を独りで食べた。娘のお千代の嫁ぎ先が大店ゆえに、祝いの席に出るのを遠慮したのだ。血の繋がらない娘と、死んだ妻。二人に知られてはならない秘密が勘助にはあった。ところが、十六年前のあの夜の出来事を、岡っ引きの市兵衛だけは知っていた……。市井(しせい)に隠れ棲む過去を持つ者と岡っ引きの、情と恩讐を描く表題作ほか、名手の腕が冴える感涙の傑作時代小説集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
FK
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七人の岡っ引き」を改題、とある。7短編。さまざまな岡っ引きを狂言回しに、ホロリとさせ泣かせる市井・時代物。ミステリー仕立てでもある。これを読んで初めてこの言葉「二十六夜待」(にじゅうろくやまち)を知った。正月と七月の26日に出る月を待つ。このところ時代小説づいている。こういうのが読める年代になったということなのか。2006/09/21
あここ
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なぁぁぁんかなぁ。どよよぉぉんとした感じ。岡っ引きさんがくせのある人ばっかりで関わるとロクなことになりそぉもない感じ。。 結局はえぇ人もいるねんけど。どれもこれも裏切ったりって話で気が重ぉい・・・結末は多少救われるんで読んでいけました。でもってこれが現実よなぁ・・キレイごとじゃ生きていけんのかなぁ。。。2010/05/25
ササ
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短編集。情に厚く正義感が強い…だけではない、岡っ引きたちのお話。岡っ引きは悪者からなる人が多いから、そりゃ皆いろんな過去があるんだよな、と。読みやすい。2023/03/05