内容説明
長編小説『鳩の撃退法』創作現場からの肉声。
「いったん書いたものを読み直して考え直す、考え直して書き直す、また読み直して考え直す、でも正解にはたどり着けない、でもそれをやらないことには先へ進めない、そういう厄介な手間に耐える勇気がなければどんな文章も書けない、そのような結論になります。ものものしいです。ほんとかよ? と思われるかもしれません。僕もちょっとそんな気がします。でも勢いで続けます。みんな(多かれ少なかれ)そうやって書いているのではないでしょうか」(本文より抜粋)
いよいよ新作長編に頭をむけ始めた作家は、ある場所へ取材に出かけます。執筆のためのメモも何十枚か溜まり、それを見て考えているうちに「物語の輪郭のいちぶが浮かびあがってくる」こともあると言います。
「明日からまた小説を書きます。いま決めました。仕事机の埃を払い、iMacの電源を入れ直します。久しぶりに仕事机にむかい、『鳩の撃退法』とタイトルを書き入れるところから始める。まずはそこからですね」
物語の種とは? 冷蔵庫理論とは? 新作執筆のため本格的に始動する2011年1月から5月、さらに著者最長編となる『鳩の撃退法』脱稿直後の2014年6月から2015年4月までの、メールによるインタビューを記録した第2巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kanonlicht
27
「きらら」誌上で連載された佐藤正午氏とライターのメールによる往復書簡(著者自身が一人二役で書いているのではないかという疑惑があったけどその後どうなったのだろう)。『鳩の撃退法』はかなりお気に入りの作品で、その誕生前の話や単行本化までの過程、著者が小説を書くときのスタンスなど興味深い話がたくさんあり面白かった。年明け発売予定の新刊小説とともに、同シリーズも「6」が出るらしいので楽しみ。未読の作品を読んでおかねば。2023/11/15
ナハチガル
21
読み始めて数ページで、コアなファン向けのおかしなファンとのやりとりをまとめたものかと思って、処分用の袋に入れていたのだが、何となくまた手に取ってみたら、ものすごくおもしろかった。なぜ小説を書くのか、どのように書くのか、ということについて、真摯にかつのらりくらりとしたためられた、まるで連作短編集のような作品だ。個人的には直木賞受賞作に不満でしばらく離れてたけど、またファンをぶり返した。あんたらもう付き合っちゃえよ、くらいに思うけど、東根さんって実在しているのだろうか。にしても正午さん67歳かぁ。A+2023/08/08
アリ子
19
「鳩撃」執筆中の3年間という長い中断を挟んで、インタビュー再開後の東根さんは、すっかり肝が据わったよう。とっても内容が濃かったです。「鳩撃」の文章には()が使われていないことに気づかなかった。2017/04/02
しんこい
11
鳩の撃退法を書く間はお休みしてたのか。書く前のメモと書いた後の色々なことに触れているので、もう一度鳩の撃退法をぱらぱらめくりたい気もしますが、読んだばかりで面倒だし。2という事は今後も続くのか。2015/07/15
じゅんぷう2000
8
再び、メールでのやりとりのインタビュー。作家佐藤正午がますます面白くなってきた。「鳩の撃退法」を読んで、感じていたもやもやが、すっきりした!こんなに手の内明かしてもいいの?1巻に比べて、佐藤さんが、穏やかになっててよかった。2015/10/18
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