文春e-book<br> ネアンデルタール人は私たちと交配した

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文春e-book
ネアンデルタール人は私たちと交配した

  • ISBN:9784163902043

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内容説明

七月放送NHKスペシャル「生命大躍進」に著者登場!

絶滅し遺伝子が絶えた筈のネアンデルタール人。だが化石から復元したそのDNAは現生人類にも残っていた! 世紀の発見の内幕。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

修一郎

82
この本を読むまで,琥珀に閉じ込められた蚊の血から恐竜のDNAを取り出したという話はそれなりの真実と思っていた。全編ほぼ古代人からDNAを抽出することがいかに大変だったかを語る男の一代記,古代DNA研究の発展がまんま本人の半生に重なる幸せな研究者の物語だ。顧みると1984年PCR法が開発された頃は自分は分子生物学に憧れたりもする一学生だった。筆者とは一回り年代が違うが,ミイラのDNA抽出から始まり,ネアンデルタール人のゲノム解析を成し遂げた筆者を見て自分がこんな人生を選択していたら…,なんてことを思う。。。2016/09/14

やいっち

65
著者がノーベル賞受賞! ホモ・サピエンスとネアンデルタール人とは、性的交流があった。滅んだネアンデルタール人の遺伝子が現生人類に数パーセント、遺っている。遺伝子だけじゃなく、人類が生き延びる技術や文化の何がしかも遺っているのだろう。そうした研究の最前線にあったペーボらの労苦を自伝で辿ることができる。贅沢な本である。2015/09/28

Miyoshi Hirotaka

50
イデオロギーで汚染されると科学は大きく後退する。ナチス時代に起きたことの結果としてドイツでは人類学が地位を失った。一方、若いスウェーデン人研究者には機会となった。古代の標本からDNAを分離する未知への挑戦は、牛のレバーで作ったミイラからDNAを抽出する小さな実験から始まり、ネアンデルタール人のゲノム解読に至った。この間、「ジュラシック・パーク」研究が流行。必要な手続きを踏まず、間違った結果で世間の称賛を浴びた研究者もいた。自分の研究を地道にきちんとして正しい結果として発表しようという真摯さが素晴らしい。2017/02/04

Isamash

48
スヴァンテ・ベーボ(ドイツのマックス・プランツ研究所)ディレクター2014年著作訳本。研究成果もさることながら研究テーマをどう選び、どういう考えでどう進めたかが素直に書かれており大変に面白かった。世界の研究者との継続的コンタクトで常に刺激を受けていくことやトップレベルの他国研究者の知恵を借りて初めて大きな成果を挙げられたことを知った。天才達を擁する国際的プロジェクトのリーダーという風で学者のイメージが一新された気がした。本人はずっと同性愛者であったが、米国女性と結婚し子供も作ったことも率直に語られている。2022/08/20

007 kazu

47
ネアンデルタール人のDNA解析に挑み、現生人類との関係を明かした研究者の半生。専門記述は難儀したが、「バッタを倒しに」に通じるヒューマンドラマとして楽しく読んだ。粘り強さ、センス等の資質に加え、予算をとるための政治力や仲間を集いまとめるプロマネ力を駆使することでたどり着く境地。DNA抽出の技術の壁を超える発想力を持ち合わせ、一流のイノベーターといえるかも。本書を読むと恐竜DNAの抽出、分析がいかにファンタジーかを知らされる。時と共に他のDNAで汚染され、ありのままのDNAなど残っているはずがないのだ。 2022/07/23

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