内容説明
10年前に解散した女性三人組アイドル・トライスター。彼女たちが所属していた事務所の元社長が他殺死体で見つかった。犯人は元ファンクラブ会長。彼は、自身のブログで元社長殺害をほのめかした直後、服毒自殺していたのだ。だが、トライスターのメンバー内に共犯者がいたことがわかり……(表題作)。名探偵・法月綸太郎が6つの難事件に挑む〈星座シリーズ〉後編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
77
【法月綸太郎短編集第6弾】星座シリーズⅡ。日本家屋の様な、しっくりとくる様式美にすら感じる。本作は天秤座からだが、物語はかなり濃厚なトリックの三重奏四重奏だ。久々に登場人物の事件系譜を描いてみたが、真犯人は最初から登場させて欲しかった。タイトルでもある蠍座の物語は、蠍がオリオンを追いかけるという物語を、天の黄道は円系に回っているという視点の変化が素晴らしい。見方が変われば、事件の構図も自ずと変わるのだと、ミステリの再確認をさせて貰った。太古に星座を読み解こうとした事こそ、ミステリの謎解きの始まりに思える。2021/10/10
Yuki
35
連作ミステリ・星座シリーズの後半にあたる1冊。2000年代後半から10年代前半に書かれた作品なので綸太郎が3・11以降に携帯を持ち出したりiPadが出てきたりと、mixiが出てきた前巻からの時代の進みを感じる。著者本人は後書きで「出がらしのティーバッグみたい」と謙遜しているが、こちらの巻のほうが交換殺人や捻った話が多く刺激的だった。特に天秤座の話はシリーズのとある長編にも通じる構成で密度の濃い短編。そして魚座のセッションのくだりは先週見た「悪魔が来りて笛を吹く」の砂占いのシーンを連想。これも巡り合わせ。2018/08/03
left7
33
犯罪ホロスコープシリーズ第二弾です。各星座の伝説をモチーフにした話を考えるのに法月さんは苦労されたんだろうなぁ、という印象でした。ただ、その苦労も法月さんらしさという感じがして、「あぁ、法月さんの作品を読んでるなぁ」という感覚を持ちながら読むことができたので、法月さんのファンの方は読まれてもハズレということはないと思います。2018/09/14
Fondsaule
27
★★★★☆ 本格推理小説連作短編集。 12星座後半。 【天秤座】宿命の交わる城で、【蠍座】三人の女神の問題、【射手座】オーキュロエの死、【山羊座】錯乱のシランクス、【水瓶座】ガニュメデスの骸、【魚座】引き裂かれた双魚。 今回も、星座にまつわるギリシャ神話が伏線に…2022/02/21
coco夏ko10角
25
法月綸太郎シリーズ。星座にまつわる短編集第2弾、天秤座~魚座。1弾よりこちらの方が面白かった。『天秤座』内容もだけどあとがきのこともあって『キングを探せ』再読したくなった。『射手座』が特によかった。『水瓶座』3.11後で携帯を持ち始めた綸太郎が印象的。2019/05/15
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