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内容説明
量子力学の原理を使って複数の計算を同時に行い、スパコンを圧倒的に凌ぐ計算能力を持つ量子コンピューター。少し前まで「実現はするのは百年後」と目されていたが、2011年、カナダのD‐Wave社が突然、量子コンピューターの発売を発表。当初はその真偽が疑問視されていたが、2013年にGoogle、NASAが導入を決定。この快挙、実は日本人が開発した「量子アニーリング」方式の賜であった。暗号を軽々と解き、航空機のバグを即座に見つけ、今後社会をがらりと変えていく夢の計算機。量子コンピューターの凄さを、文系も楽しめるように基礎の基礎から解説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kikuyo
23
量子コンピュータについて理解したかったがちょっと残念…。予備知識としての計算とは?コンピュータとは?量子とは?とか暗号に関しての話が長過ぎ。結局6章から量子コンピュータの説明になる。親しめるようにとの配慮なのか、いちいち関西弁の合いの手が逆効果。サイエンスライターって何だろうか。6章7章だけ噛み砕いた説明が欲しかったけど、本のタイトルを変えればこれはこれで楽しめるか。2016/07/06
活字スキー
22
サイエンスライターの竹内さんが、若干ウザめの関西弁で科学数学、そしてコンピュータの歴史をユル~く紹介。全体の七割ほどは、そんな周辺事項についての話なので、量子コンピュータについてガチで興味がある人は専門書へGO!自分はSF好きのくせして学生時代の理系科目の成績はヒドかったのだが(あ、文系もだ!)、これは楽しく読めて「なんか知らんがなんとなく凄そうだ!」という気分は味わえました。2015/12/11
さきん
22
量子力学の原理を使って複数の計算を同時に行い、スパコンを圧倒的に凌ぐ計算能力を持つ量子コンピューター。2011年、カナダのD‐Wave社が突然、量子コンピューターの発売を発表。当初はその真偽が疑問視されていたが、2013年にGoogle,NASAが導入を決定。この快挙、実は日本人が開発した「量子アニーリング」方式の賜であった。暗号を軽々と解き、航空機のバグを即座に見つけ、今後社会をがらりと変えていく夢の計算機。量子コンピューターの凄さを、文系も楽しめるように基礎の基礎から解説する。2015/10/27
Kent Kaseda
21
【評価:55点】量子コンピュータ自体の話は最後の60ページくらいだけで、コンピュータや量子力学に関する前提知識の解説が大部分を占める。前提知識の部分は非常に易しく書かれており、高校生や文系の人にも分かるようにする努力がひしひしと伝わる。しかし、肝心の量子コンピュータの解説が難解なので、その前の200ページ以上ものお膳立てが結局徒労に終っている気がした。個人的には竹内繁樹氏の『量子コンピュータ―超並列計算のからくり』の方が、量子コンピュータに特化した解説で分かりやすいと思う。2017/11/08
チャー
16
本書は現在研究が進められている量子コンピューターの概要とその仕組みを解説するとともに、コンピューターと数学・物理の関わりについて歴史を追いつつ紹介している。所々に専門的な用語や数式が出てくるが、それらをじっくり読むことで概要の理解を助ける。量子と確率という概念が難解で上手く理解できなかったが、その計算能力の高さと暗号との関わりについて知ることができた。量子と計算の原理についての部分は後半に限定されるが、本書を通じ、歴史の中で偉人たちが積み重ねた研究の結果が現在の技術の発展に繋がっていることを実感した。2022/05/07