内容説明
第2次大戦末期、沖縄北部地上戦を戦った知られざる少年秘密部隊、護郷隊。陸軍中野学校出身者の指揮の下、米軍侵攻を撹乱するため生まれ育った村を焼き払い、学校を破壊した少年兵たちの胸に去来した悲しみを描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takam
20
今の自分よりも半分程度しか生きていない少年たちが国や故郷を守るために銃や竹やりを持って戦った。物量でけた違いに不利である中、自分たちの故郷を信じて戦った姿は現代を生きる我々の想像を絶する。少年らしさは最初には感じたが、戦争を通じて大人になっていく姿は複雑である。現代人と当時の人たちでは生きる規範も使命感も何もかも違い、敗戦を間に断絶を感じる。ただ、私はないものねだりだからか、戦前の人たちに憧れを感じてしまう。2020/08/04
活字スキー
20
護郷隊の事もこの本の存在も知らなかったのだが、たまたま立ち寄った書店で吸い寄せられるように目に止まった。映画『スターリングラード』では前線に送られる新兵に銃が二人につき一丁しか支給されなかったのに対し、沖縄ではそれより遥かに劣悪な条件の下、十代半ばの少年たちがただ故郷を守りたい一心でゲリラ活動に身を捧げたが、当然、まともな成果などあがるはずもなかった。「故郷を戦場にしてはいけない」……もっともだ。では、外国(敵地)なら存分に暴れてよいという話でもないだろう。2015/09/01
さく
19
8月は戦争に関する本を読もうと思って手に取った。タイトル、少年兵が、戦後に精神を病んでしまい、火を放ったのかと思ったが、そうではなかった。沖縄を守るために兵士になった少年たちは、米軍の拠点になっていた場所を焼き払えという命令により、自らの故郷に火を放つことになる。これが、タイトルの意味。あどけなかった少年たちを、戦争は変えてしまう。故郷を戦場にしてはいけない。戦争は、してはいけない。2024/08/25
shiori
12
戦後70年の節目の年にと思い手に取りました。米軍が沖縄に上陸し、まだまだ幼い少年達が日本の為に戦った。自分の故郷に火を放つ葛藤のその気持ち。父が米軍に射殺され、戦争を憎むより父の復讐に燃える気持ち。今の平和な私達には到底知ることが出来ない。戦争とは心も壊すと感じると同時に、他には選択肢はない。赤子を背負い少年兵と悟られないようにしたり、読んでいて胸がつぶれる思いだった。護郷隊に召集が来た時は日本の為、沖縄の為に戦えると誇らしかったのだと思う。たくさんの尊い命が亡くなった。決して忘れてはいけない。2015/08/10
tecchan
1
沖縄戦北部地域の戦いを描いたノンフィクション。15歳から18歳の子供達を召集、故郷を戦場として家々を自ら焼かなければならないようなことも。多くの子供達が亡くなった戦いを生き残った人の証言で再現。2025/06/21
-
- 電子書籍
- 戦争論(上) 中公文庫
-
- 電子書籍
- 花ゆめAi Vol.35 花ゆめAi
-
- 電子書籍
- かくりよ神獣紀 異世界で、神様のお医者…
-
- 電子書籍
- CG(CAR GRAPHIC)2020…
-
- 電子書籍
- BtoBマーケティング虎の巻(Mark…