内容説明
世界的に有名な画家ブライスは、大金持ちの実業家から、ある女性の絵を描いてほしいと依頼を受けた。肖像画は描かない主義だ、とブライスはいったんは断った。依頼主の傲慢な態度も気に食わない。しかし、その女性サビーナの姿に、ブライスは魅了された。トップモデルの彼女はまさに美の化身だ。惹かれたのは、外見だけではない。サビーナの瞳をよぎる不安と恐怖を、ブライスは見逃さなかった。なんとしても彼女の内面に近づき、その謎を解き明かしたい。肖像画を描くことに、にわかに乗り気となったブライスを、なぜかサビーナは避けようとする。ブライスはいっそう意欲をかき立てられ、彼女をデートに誘った。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
8
ヒロインの婚約者にいい印象を持てなくて、それは彼女に恋しているヒーロー目線だから?と思っていたら、本当に半端なく嫌な人だった。村田順子さんのコミックを読んだ後だったので美男美女のカップルを頭に思い浮かべてイメージが膨らんだ。でもお話そのものは割と淡々としていていまいち盛り上がりに欠けたかな。脇役の80代と60代の恋に思わず反応してしまう家族の戸惑いはさもありなん。コミックでは描き切れない感情の揺れや出来事の隙間を埋める意味では役に立った、という感想しか持てないことに気づき、ちと申し訳ない気がする。2014/08/28