内容説明
午前二時半。ベッドの横でベルが鳴り続けている。真夜中の電話がいい知らせのはずがないわ。クリスティーナはそう思いながら、しぶしぶ受話器を取った。相手の声を耳にしたとたん、思わず緊張する。少女のころ熱烈な片思いを軽くあしらわれたとはいえ、二十三歳になった今はアダムを恐れる理由は何もないはずなのに。彼は親友フィオーナの兄―それだけの存在だわ。アダムは妹が恋人と家出したのを知って怒りを爆発させている。行き先を教えなければ非情な手段をとるという脅しに屈してスコットランドのコテージだと答えたが、一緒に行くよう命じられ、クリスティーナはあわてふためいた。二人だけで旅行なんて…。彼の前では十代の私に戻ってしまう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
4
少女時代からヒーローに憧れを抱いていたヒロインはあっさり袖にされ、大人になった今でも反感を抱きつつ、まだ気持ちを吹っ切れていないという状態。妹に近い存在と認識されていたら、なにかきっかけがなければ女性としてみてもらえないだろうなとヒロインにちょっと同情。おまけに一度だけつきあった男性から色気がないっていわれてしまい、ヒロインはもう傷つかないようとガチガチに鎧をまとってます。意地を張り合うふたりが子供っぽい。おまけに悪意を持って邪魔をする美女までいて前途多難。タイトル通り、素直になればいいのにね。2014/04/04
りりか
1
ヒーローに対してコンプレックスが強すぎるヒロインと、それを見越していい気になってるヒーローという印象で、あまりロマンティックではなかった感じでした。2012/02/20
me
0
ペニージョダンの「忘れない夏」と大まかな設定が似てたのでこんがらがった。ヒロインは最初から最後までヒーローへの気持ちが駄々漏れで、口を開くたびにヒーローの女性関係を嫉妬した発言ばかりするので見苦しかった。ヒーローが金髪モデルといかにも関係があると匂わせる台詞がたびたびあるのに、ラストになって彼女と関係は一切なかったと言うので突っ込みたくなった。遊び人ヒーローが、特に美人でもないヒロインのどこに惹かれたのかわからないまま終わった。きゅんきゅんするお話ではなかった。2019/05/26