内容説明
ニンジャ抗争で妻子を殺されたサラリマン、フジキド・ケンジ。彼自身も死の淵にあったそのとき、謎のニンジャソウルが憑依。一命をとりとめたフジキドは「ニンジャスレイヤー」――ニンジャを殺す者となり、復讐の戦いに身を投じる……!! 原作者から権利を取得した翻訳チームにより、Twitter上での翻訳連載が開始された「ニンジャスレイヤー」。強烈な言語センスを忠実に訳した翻訳は「忍殺語」とも呼ばれ、中毒者を生み出し続けてもはや相当にスゴい!「マルノウチ・スゴイタカイビル」「実際安い」「Wasshoi!」「古代ローマカラテ」といった超自然単語群が読者にニンジャリアリティショックを引き起こしてしまうのだ! ツイッターでついた火が、いま炎となる。走れ、ニンジャスレイヤー、走れ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
115
文章の突飛さ、奇天烈さに幻惑させられるが、いつの間にやら癖になり脳内で文体が響く。独特の中毒性。世界観は滑稽でもありながら、異常に尖ってカッコよく立ち上がる。こういう下地の上で、パルプなヒーロー活劇をやられると絶妙な面白さ。本は以前から持っていたので、もっと早くに読むんだった。2018/05/13
岡本
85
積読本の中でも一際分厚く三年以上放置していた一冊をようやく読了。ニコニコ動画など各所で目にするものの読みづらい忍殺語に少々苦戦するも何とか読み進める事が出来た。埼玉県民には馴染みの地名がちらほら出てきたり、独特な固有名詞が多数出てきたりと摩訶不思議な世界観に戸惑いつつも嵌りそうになったり。ネオサイタマ炎上は全巻あるのでこの勢いで読み進めたい。2016/08/27
中玉ケビン砂糖
83
、ドーモ、ミナ=サン、この本を手に取る日が来てしまったかともはや感慨深いものすら感じる、前々から気にはなっていたんだけれども、そしてweb上で無料閲覧できるんだから別にいいじゃないかーとは思ってはいたんだけれども、やはり紙になったらどうなるのかを見てみたいという偏執から、渋々セール時に中古を購入、さすがにもう日本のイメージを「サムライ、ハラキリ、フジヤマ、ゲイシャガール」で持っている外国人はそんなにいないと信じたい2015/02/05
藤月はな(灯れ松明の火)
64
私がこの本を読もうと決心したのはYoutubeでこの小説の期間限定の無料音源を聞いたのがきっかけだった。読み始めた時は、時系列もバラバラで掴みにくい上に戦国BASARAにも感じた歴史改変度の激しさや日本文化と忍者についての詳しすぎるのに間違った認識、シリアスな場面の筈なのに「マルノウチ・スゴイタカイビル」、「ドーモ、〇〇サン、ニンジャ・スレイヤーです」などの変な日本語に脱力しつつもツッコまずにはいられなかったです。しかし、いつの間にかのめり込んで読んでいるという不思議!原文は果たしてどう表現されているのか2014/03/07
翔亀
52
新しいメディアは新しい文学を産む。PCゲームが産んだ「ひぐらしのなく頃に」は、あの大長編が1枚のDVDに収まってしまう気軽さを別にすれば、紙の本で出現してもおかしくない正統的な小説だった。本作はtwitterが産んだ小説。格闘ゲームが何回も続いてどこが面白いのかと思ったが、ボーイ・ミーツ・ガール、再生の物語、格差社会など意外に「物語」があって興味を逸らさない。でもやはり、悪ノリ日本趣味ダークSFというべき設定と文体が命だろう。日本の社会と文化をこれほどまでにオチョクッた見識を覗くだけでも一読の価値あり。2014/10/12