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内容説明
日本の「戦後体制」の根幹である“昭和憲法”を与えると同時に、その憲法を変えること自体を困難なものにしたアメリカ。だが、平和主義の理想を貫くその憲法の背後に潜んでいるのは、戦勝国による“報復”であった。アメリカが主張する「侵略戦争に日本が敗れた」という前提があり、日本は報復を受けたのである。そして今、アメリカの国力が衰え、日本の安全保障を確保できなければ、“昭和憲法”の存在価値はなくなってしまう――。本書は、40年以上にわたって日米関係を取材してきた著者が、占領下で日本政府が事実上存在しない異常事態のもとで憲法が作られた過程を、マッカーサー指令部など歴史の証人から得た新たな証言で鮮やかに描き出す。「昭和憲法は国会を独裁者にした」「日本側は天皇制の維持だけに全力を挙げた」「アメリカは独立後の日本を信用しなかった」など、憲法を見直すにあたり、今の日本人が直視すべき“歴史の現実”がここにある!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みむら しんじ
3
読了。マッカーサー以下が7日間で作り上げた憲法の草案。原文は英語から日本語に訳させられ、それをまた英語で提出させられた。領土拡大のための戦争という汚名を着せられた戦争の報復として、米国は日本に「平和の国」に仕立てた憲法を与え、ソビエトは北方領土を奪い取った。その後の社会主義国のアジア席捲の危機に安保条約を結ばせ、いま世界の警察の名前を返上しようとする米国と日本の関係に、いまの憲法は危険であると著者は警告を鳴らす。日本はもう遠慮なく独立を宣言する時期に来たと著者は言う。改憲論者の意見を詳しく読み解く。2015/03/12
プレイン
2
平和ってどうすれば手に入れることが出来るんだろう…多くの日本人は平和は憲法のお陰でただで獲得できると思っている。戦争を経験していない我々世代は日本が戦争に負けてGHQに占領されて何もかも練り換えられてきたことが想像出来ない。今の時代の感覚で発言するからピントがずれる。著者は昭和憲法が作り出された時代背景を理解すれば戦勝国の報復であることが分かると訴える。2015/03/26
Naoki Kato
0
日高さんなので、想定内であった。2016/01/08
ryu
0
占領軍による憲法は、戦後70年を経過した、これからの日本に相応しいものなのか、単純に9条だけをクローズアップして反対と言うのではなく、国際社会でアメリカの属国ではなく、一国家として相応しい行動と責任を果す為には、どのような憲法が良いのか平和ボケした国民が真剣に考えるきっかけになる良い本だと思います。2020/12/20