内容説明
日本史上、もっとも巧みに人の心を捉えた“人蕩し”の天才、豊臣秀吉。生れながらの猿面を人間的魅力に転じ、見事な演出力で次々に名将たちを統合し、ついに日本六十余州を制覇した英雄の生涯を描く歴史長編。古来、幾多の人々に読みつがれ、日本人の夢とロマンを育んできた物語を、冷徹な史眼と新鮮な感覚によって今日の社会に甦らせたもっとも現代的な太閤記である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
339
これまでに数多あるといっていい『太閤記』。古くは小瀬甫庵の『太閤記』、そして『川角太閤記』、『繪本太閤記』、さらには浄瑠璃や歌舞伎にも「太閤記もの」と称されるほどのジャンルを形成していた。近代以降でも、吉川英治、山岡荘八、山田風太郎、そしてここでも映画やTVドラマが多数存在していた。そして、そこに敢えて割って入ったのが、司馬遼太郎の『新史太閤記』である。面白い。司馬遼太郎の秀吉に対する親近感も感じるし、尽きせぬ興味関心も随所に迸る。語りのスタイルは存外にオーソドックスで、ほぼ編年体で「猿」の行状を⇒2026/02/24
ehirano1
162
日本史上屈指の「人間通」は、ひっそりと苦境の少年期から青年期を送る。やがて導かれるというかもはや必然的に魔王信長の下へ。この「人間通」と「魔王」の組み合わせに歴史の奇妙さと壮大さを感じました。2026/02/14
とん大西
133
司馬作品を読むといつも思う文章の故郷みたいな座り心地の良さ。豊臣秀吉の立身出世物語、やはり面白かったです。日本史上の巨星にして異例の出頭人。流浪し今日の糧にも事欠いた少年時代。当時、彼が天下人となるなど誰が予想しえただろうか。織田軍団のエリートにまで上り詰める上巻には若き日の秀吉の魅力が十分につまっていました。冷徹かと思えば人情に熱く。強心臓かと思えば繊細で。演技か本心か信長の心さえも鷲掴み。稀代の人たらしが己れの信じる道を突き進む様は痛快爽快です。(少年の時の夢が素朴で良い。友に存分振る舞いたいなんて)2019/02/09
優希
131
久々に司馬さんの長編を手にしました。秀吉を一貫して「猿」と称しているのが特徴なのかと思います。天性の人たらしの才能と見事な演出力で信長に召し抱えられてからのスピーディーな展開にのめり込みました。信長との掛け合いが見事で、出世街道を着実に歩んでいるという印象を受けます。名武将を鮮やかに手玉にとるからこそ順調に成り上がることができたのですね。着々と力をつける秀吉。さて、天下取りはいかにして成し遂げられるのか。下巻も読みます。2017/01/20
金吾
110
○秀吉が成り上がっていくのを生き生きと書いています。有名な人なので目新しい話はないですが、信長との掛け合いとか躍動感が伝わりわくわくします。当初に秀吉の陰な部分も書いているので晩年につなげるのかなと勝手に思っています。2020/03/24




