光文社新書<br> 社会保障が経済を強くする - 少子高齢社会の成長戦略

個数:1
紙書籍版価格
¥924
  • 電子書籍
  • Reader

光文社新書
社会保障が経済を強くする - 少子高齢社会の成長戦略

  • 著者名:盛山和夫
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 光文社(2015/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334038434

ファイル: /

内容説明

少子高齢社会は、経済成長にとって大きな困難をもたらす。人口減少で消費需要が減る一方、労働人口が減って生産面でも縮小していく。また、団塊の世代を中心に年金の支給額、医療費や介護費も大幅に増えていく。国の財源も不足すると懸念されていることから、「社会保障を減らすべき」というのが常識だ。本書では、そうした考えの誤りを指摘し、年金、医療、老人介護、育児・支援などの充実が経済成長につながるメカニズムを示す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

28
現実見据え前向きに議論を進めようとした時の、お金というものの威力ってすごい。◇子育てや介護は社会で支える。税金はできるだけ減らし小さな政府にする。こうした案件、人の信念に関わる事だけに、対話というものが成立しにくい。相手を認めることは自己の否定につながってしまうから。でも、お金の話にしてしまえば損得の問題、折り合いがつく。著者の意見に反対ならば、同じ土俵の上で別の試算を示せばいい。違いは前提・設定だったり、シミュレーションのシナリオだから。◇それにしても、増税が経済にプラス、というくだり、目から鱗だった。2015/04/21

ゆう。

17
現在の政府が進める新自由主義的社会保障改革である規制緩和や市場化の方向性について、「小さな政府」論は誤りだとして、批判的に論じられた本です。財政難を理由に必要な社会保障を削るのは手段と目的とを取り違えていると批判しています。こうした主張は大切だと思いました。しかし、財源論が消費税ありきとなっているところは大きな疑問があります。生活困窮者や福祉を必要としている人からも生きるために必要な経済活動を行うと強制的に負担を強いるのが消費税です。消費税は反福祉税といってもいいと思います。そこが残念でした。2015/09/05

Francis

10
著者は社会学者。社会保障費の増大は経済成長に悪影響をもたらすと言う経済学的な通説に対する反論を試みる。医療費や介護費は負担と言うよりも所得移転ととらえるべきであること、子育て支援は将来に対する投資であること、支給開始年齢引き上げなどの年金給付水準の削減よりもむしろ消費税増税による給付水準の維持の方が経済成長の上で望ましいこと、などが述べられている。卓見とは思うのだが、そんなにうまく行くのだろうか?と言う疑問も。主張をそのまま受け入れるよりも、あくまでも仮説の一つとして検証していく必要がありそう。2015/11/04

りょうみや

9
有名社会学者が書いた経済の本。社会保障を所得移転、子育て支援を投資と捉える。日本の債務(借金)は国内で金を貸し借りしているだけなのでまったく問題ないという立場。希望的観測も多い1つの理想論かもしれないが方向性はありだと思える。今の政府は逆の方向なので実現性は低そう。2017/12/11

yuko

6
経済学者の間では小さな政府こそが経済にとってプラスであり、社会保障は減らすべきというのが主流だが、果たして本当にそうなのか。医療や保育、介護も経済活動ではないのか、年金は所得移転ではあるが市場に出回らないお金というわけではない。年金が減額となったとして、保険料の減額分を消費に使える国民、将来に憂いのない国民がどれだけいるというのだろう。社会が大きく変革している今だからこそ、従来の常識にとらわれることなく、国民生活に求められることは何かを改めて問い直されている気がした一冊。2015/03/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9339656
  • ご注意事項

最近チェックした商品