内容説明
銀座の路地裏に建つレンガ造りの洋館、紫陽花茶房。帝都一おいしい紅茶で客人をもてなす青い瞳の店主・紫音は英国伯爵家の御曹司で、自称“魔女の孫”。紫音の淹れる“魔法茶”はワケありの客人たちを一夜の夢に誘って……? 「深夜十二時、夜のお茶会を開きましょう」。ちょっと不思議な青い瞳の店主と給仕のハイカラ女学生・月子が出会う、香り豊かな英国式魔法茶をめぐるハートフル・ストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ももたろう
55
田倉トヲルさんのイラストがすっごくいいです!!紫音はかっこいいし、月子もかわいい。二人のテンポのいい会話が好き。紫音の話し方も好きだなぁ~~英語やおかしな日本語や言い間違えを交えながら月子を褒めたり口説いたり…時にはお説教してるのが良いです~。かわいくてドキドキほわほわさせてくれるお話しでとても気に入りました。二人の恋がどうなるのか…?続きが楽しみです。2015/08/14
のいじぃ
32
読了。明治時代の少し不思議な英国風茶房の物語。西洋文化が入ってきた頃の空気を損なうことなく、登場人物たちもその世界に馴染んでいるので肩肘張らずに読むことができました。知識もファンタジーも、そしてささやかな糖分も、上手く調和され、猫の北斎も良いアクセントになり微笑ましいです。月子の唐突に入るシュールな突っ込みにもニヤリとしてしまいました。彼女の居場所、紫音の思わせぶりな言動、これから、ですかね。田倉さんの素敵なイラストも手伝って、ふらりと迷い込んでしまいたくなる紫陽花茶房、良い一冊でした。続編も読む予定。2015/06/10
ダージリン
32
大正っぽいけど、英国風小道具と融合して、少女小説ならではの見事なファンタジー世界が広がっていました。少し不思議の入ったほのぼの系のお話。月子と店主紫音のやり取りも、ほのかな想いが見え隠れして良いです。もちろん、シリーズになりますよね?(笑)2013/11/05
すみの
29
ハイカラ女学生・月子は銀座路地裏の紫陽花茶房でアルバイト。店主は英国伯爵家出身、そして『魔女の孫』と称する紫音。魔女の家系だけに彼の淹れる魔法茶は悩める人たちを癒したり、月子の記憶を消したりと(笑)。*比呂子さんと伊助の恋『春告げるペルセポネ』*お嬢様藤倉美玲の想い『秘密の恋』*黒猫・北斎のヒミツ『五月の猫』 紫音の飼い猫かと思ったらいろんなお宅を転々と渡り歩く北斎。もちろんその家によって呼び名も変わる。この北斎の話がじ~んとくる。2016/07/27
フキノトウ
28
再読です。前回泣いたところでまた涙が止まらなくなりました。黒猫にタンポポの綿毛かついているのを想像すると、可愛くて悶えるなー(笑)再読すると、思ったより紫音が月子を意識しているのが分かり、二巻を読むのが楽しみになりました(^_^)2014/09/12