内容説明
利倉くんと結婚したくて、“女中に行った”桃尻娘こと榊原玲奈。もう一ぺん瓜売小僧こと木川田源一と暮らしたい無花果少年(いちぢくボーイ)こと磯村薫。田中くんも一緒に九十九里の海を見に行った僕達、新宿の雑踏で分かれるとき、僕にだって素敵な未来があるって思えてきた。だから、「またね!!」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
還暦院erk
8
図書館本。シリーズ最終巻だと思ったら違った。最初に男子と男子の愁嘆場があったのでビビったが、前巻からの続きなのね。それはともかく、榊原玲奈の語りが少し大人になっていた(行動は相変わらず突飛…笑)。p167「この世に手つかずで存在する抽象概念なんて、もう結婚しかないんだ、絶対に。なんというやりがいのある不毛な荒野だろう。」←好きな人との結婚を望む二十歳の娘の理論武装?p237「どうして男って女のことを相手にしてくれないんだろう…きっと、男同士で仲がいいからなんだろうな…」←これは何かわかる。2019/05/25
乙郎さん
6
1988年刊行。20年くらい前に途中で止まっていた桃尻娘シリーズ、番外編以外はとりあえず読了。ああー、なんというか。榊原も磯村も決してこっちが思っていたような方向には行かない。磯村はまだ新しい生活様式のようにも思えるけど、榊原なんかかなり保守的ではとも思わせられる。でも、最後まで読んで、その選択に不服はない。なぜって、彼ら彼女らは生きている人間だから!当時40歳前だった橋本治が書いた女学生文体が果たしてリアルだったかはわからない。ただ、恐らく「桃尻娘」シリーズとは、橋本治の憑依文学だったと思うのです。2024/04/09