内容説明
「魔羅賀平助、ご助勢仕る」――緋色の愛馬を駆って颯爽と戦場に進み出た巨躯の若武者。人呼んで“陣借り平助”。名刀・志津三郎を腰に佩き、赤柄の傘鎗を自在に操る、並はずれた勇者であった。 そもそも安芸国厳島合戦で、毛利元就の陣を借り、無類の戦功を挙げた平助。以後、名だたる合戦で、必ず寡兵・劣勢の陣に加わることを信条とし、さらに士官の野心を微塵も持たぬ彼の名は、瞬く間に戦乱の世に轟いた。 今日もまた合戦に赴く平助。主は織田信長、敵は今川義元、向かうは尾張桶狭間。はたして平助を待ち受けるものは……。時代小説界随一の俊才が放つ、痛快無比の一大戦国ロマン、待望の電子化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
17
先に2作目を読んでいたこれがシリーズ1作目。常に劣勢側に陣借りする魔羅賀平助が臨むのは織田/今川の桶狭間、浅井/六角の野良田合戦、武田/上杉の川中島など。歴史の既成事実のなかで自由奔放に動き回る平助が痛快です。ちなみに両親は日本人の母とポルトガル人の父で、眠狂四郎(ⓒ柴田錬三郎)と同じようだけどキャラクターは対照的です。2020/08/09
onasu
13
些か今風ではないけど、解説子の「勢いのある小説」というのはいいですね。加えて言うなら、弱い方に陣借りして、報償を求めない、ついでに女に弱いと。 渡り歩く先は桶狭間での信長の陣を始めとして、浅井と六角の争いでは、将器を期待される長政と比較される父久政を踊らせ、川中島では山本勘助の陣であえなく勘助を亡くしてしまうが後段も…、と陣借り先ではドラマが絶えない。 2巻目から読んだので、平助&丹楓(人馬共に巨軀)のルーツをスルーしていたが、終編で堺に戻り、それが明かされていたのも順当。楽しい読みものでした。2022/02/01
アイゼナハ@灯れ松明の火
6
時は戦国。常に寡兵の側に陣を借り奮闘する快男児の活躍を描いた連作短編集。たまにこういう単純明快にスカッとさせてくれる本を読みたくなります。2010/03/07
水面頼光
5
魅力いっぱいの主人公。長編でも読んでみたい。宮本時代劇の準レギュラー風魔小太郎が珍しく悪役で登場するのが面白かった。2014/01/30
ホッケうるふ
3
主人公魔羅賀平助の太刀使いは爽快と思いきや1話の信長への腕前披露がマンガチック過ぎてその後の活躍もスーパーヒーローぶりがだんだん飽きてくる。作者もその辺を考えてか後半は焦点を変えて見せる。史実の考察はディープで非常に面白いが主人公がマンガよりもマンガっぽいのが何とも。怪力ですべての武芸に秀で洞察力も優れているのはまあ良い。ただ一応まだ若者という設定なんだから夫婦間の微妙な問題にまで老成した忠告を吐くに至っては白けてしまう。何も精神面でもスーパーヒーローにせんでも。マンガの登場人物の方がよほど説得力あるぞ。2014/05/03
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