内容説明
長谷川町子の実妹の初エッセイ。──町子姉は頭がよくて、悪ガキで、甘えん坊でした。ワンマン母さんと串だんご三姉妹の昭和物語。
女子大時代には文豪・菊池寛氏に師事し、『サザエさん』の制作を陰で支え続けた実の妹の、初めての書き下ろしエッセイ。
「町子姉」と長谷川一家の、戦中・戦後の貧しくも明るくたくましい暮らしと、町子さんが亡くなるまでの波瀾万丈のエピソードを綴った。貴重なプライベート写真も収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
48
長谷川家の母・長女毬子・次女町子・4女洋子さんと全員のキャラが濃い! そして男性陣が早くに亡くなられています。 それだけに靭くならずにいられなかったのでしょうが、母親の強権には驚きの連続でもあり、また周囲に流されるばかりの洋子さんにも歯がゆさを感じました。 この母にして、この子供達だったのかな。 家庭の中だけでも、これだけ我を通せた、派手な喧嘩もできたのは、仲が良かった、信頼しあっていたという事だと思い、町子さんにとっては幸せな一生だったのではと思いました。2015/03/31
スノーマン
27
長谷川姉妹について、ほとんど知らなかったので全て新鮮。素直な文章もいい。最初で最後の本なんてもったいない〜。町子さんがサザエさんよりいじわる婆さんに見えてきた(笑)誰かを懲らしめることにかけて容赦無く、でもシャイで仕事はまじめ。多面的でつかめないお姉さんをずっとそばで見続けてきた洋子さん。お母さんと三姉妹、合わせて四人で戦前戦後を苦しくも明るく生き抜いてきたんやなぁとしみじみ。2014/09/14
山口透析鉄
22
長谷川町子さんの妹、洋子さんによるエッセイ集で、私はこれ、電子版を購入して読みましたが、その後、ふと単行本を買っていたのも出てきて、重複分は長谷川町子さんファンの母に譲りました。 長谷川町子さんご自身による自伝まんが「サザエさんうちあけ話」もあり、あれもあれで興味深いのですが、身内でもちょっと視点の異なる末娘さんによるエッセイで、姉たちや母親についても、町子さんの作品とはまた違った部分が見えるようにはなっています。 読書メーターで文春文庫版もあると知りました。図書館等で読んでも良いと思います。2021/10/30
カタコッタ
13
長谷川町子の家族をめぐる物語。殆どを串だんご姉妹の泣けて笑えるまるでマンガサザエさんの様な暮らしぶり、楽しく読めました。しかし著者が自由を手に入れた気持ち、故千葉敦子との交流、その辺りがグッと胸にきました。どこかしらに自分を見た様な気持ちになったのでした。2021/04/29
mutuki
8
「天才・長谷川町子」を妹さんから見たエッセイ。 町子さんの書かれたエッセイなどでは、妹洋子さんは 大人しく優しく本当に仲が良い感じに書かれているが、 洋子さんの町子さんを見る目線はけっこう辛辣なものがある。家族の中に天才が同居していることは、まわりのものにとってそれなりに大変だったんだろうなと思う本だった。2018/07/26