新潮文庫<br> 関ヶ原(下)

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新潮文庫
関ヶ原(下)

  • 著者名:司馬遼太郎【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 新潮社(2015/02発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101152141

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内容説明

天下取りの見果てぬ夢を追い求めて関ヶ原盆地に群れ集った十数万の戦国将兵たち……。老獪、緻密な家康の策謀は、三成の率いる西軍の陣営をどのように崩壊させたか? 両雄の権謀の渦の中で、戦国将兵たちはいかにして明日の天下に命運をつなぎ、また亡び去ったのか? 戦闘俯瞰図とも言うべき雄大な描写の中に、決戦に臨む武将たちの人間像とその盛衰を描く、波瀾の完結編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

531
いよいよ関ケ原での決戦である。東西陣営の布陣を見る限りでは、ほとんどの戦史家たちが西軍の勝ちとするらしい。布陣はそうなのだ。ところが、実際には劣勢のはずの東軍が勝利している。小早川秀秋の裏切りがなければ、あるいは島津軍が動いていれば、など西軍には何度も勝機があったにもかかわらずである。司馬遼太郎が作家として優れているのは、単に戦いをのみ描かない点にこそある。そこには、戦いに臨んだ諸将たちの思惑が、欲望が、嫉視が、怨念が渦巻いていたのである。こうした機微をまさに縦横無尽に描いて見せてくれたのが本書だ。2017/04/11

yoshida

189
「関ヶ原」を読んで気付くのは、世の中は正論だけでは動かせないということ。現実では物理的な力に世の中はなびく。心では正義が勝つべきと思う。この作品での正義そして正論は石田三成だ。豊家の天下を奪おうとする徳川家康に立ち向かう。秀吉亡き後、関東に巨大な版図と実績を持つ家康に大名達がなびくのは自然なことだ。だが、それが通れば世間から正義が消える。小身だが家康に立ち向かう三成の行動は正義の実行であり偉大だ。日常の組織で自身の正義を通そうとしても無理がある。だが、物語の三成は正義を通す。その眩い輝きを、私は支持する。2017/08/13

mura_海竜

164
関ヶ原の戦いの全容が掴める。司馬氏の時代小説は、前後の流れが大変わかりやすく、各人の判断に至った経緯を大変興味を持って拝読した。その判断は生い立ちや性格、そして人間関係など周囲の環境。西軍10万余、東軍7万5千余、西軍有利(P265)。秀忠が上田城で足止めにされていたのは知らなかった。戦いを傍観している諸将の場面が多く登場、寝返り、なかなか動かず冷めてしまった感。小早川の反旗(P333)。敗戦後、三成が義で匿われたこと、如水が初芽に巻末で会ったことは、司馬氏のバランス感覚からの物語の終え方だった。続く→2019/08/12

修一郎

146
戦い前の権謀術数こそが中心で,6時間あまりで終了した合戦そのものはつけたしみたいなものかと思っていたけどとんでもなかった。西軍側に裏切りやら様子見やらがこんなに出ては勝てるわけはないだろうけども,決してあっさり東軍が勝ったわけではなく,流れによっては西軍が勝つチャンスも十分あったのだ。実に惜しかった…三巻一気読みで様々な人間模様をたっぷりと堪能した。「残念な石田三成さん」の印象は結局変わらなかったけども,岡田准一演じる石田三成,役所広司演じる徳川家康は見てみたい気もする…2017/08/30

しいたけ

137
さすがの司馬遼太郎、1500ページを超えるゴッチャゴチャの人間関係とそれぞれの腹のうちを飽きさせることなく読ませます。主人公に思い入れを持ってどっぷり浸る読書もいいですが、この小説のようにさほど好きとも思えない主人公に、それでも何だか放っておけずに情が寄せていく読書も、とても楽しい読書でした。史実ゆえの思いっきりネタバレ前提本ですが、そこがまた切なくて・・・斬首された首がちらちら目に浮かぶことを切ないと言っていいものかはアレですが。「義」だけが通行手形にはならない世の中は、今と変わらないのかもしれません。2017/08/26

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