内容説明
「よろしい。さっそく設計してみせるのだ、スービ・キュージット」
冒険に欠かせないアイテム収納ボックス、全方位カメラ、空を飛ぶ船――これらの発明をたった１人で成し遂げる男がいたとしたら？
彼こそスービ・キュージット。大学10年生、憲兵局の法改正を強いた回数４回、異常なネコミミ偏愛者にして、魔法学界の奇跡。
そんな彼はある日、100年先の技術を持つコートボニー教授と出会う。スービは魔力の永久機関といわれる“永続魔石”を彼女と共に探すことになるのだが――。
これは大発明家の若き日の物語。
第１回オーバーラップ文庫大賞“金賞”受賞作、ついに登場！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズ
29
大学は留年続き、大好きな魔工機作りに専念しすぎて彼女にも振られた魔工機職人の少年スービが、砂の大陸から来訪した小人族・セノの教授コートボニーと出会い、後世において数々の大発明を成した伝説の魔工機職人となる黎明期を描いた近世風ファンタジー。作品の世界観と近代化を迎えた世界においてもどこか退廃的な雰囲気を両立させている文章が非常に見事に尽きる。実現不可能だと一蹴されるような夢であっても、全力で挑み続ける事に意味を与えてくれる作品。作者が本当に好きな物を熱心に詰め込んだんだなと思わせてくれるような文章に惹かれる2022/04/06
まりも
21
魔工機職人の卵スービが永続魔石を追うコートボニー教授と出会った事で発明家としての道を歩き出す話。オレっ娘ロリババアで人妻とヒロインから既に設定が山盛りな訳ですが色々と詰め込んだのは良いもののそれを調理する技術力が無いせいで物語が散漫としているのが最大の難点。展開に勢いはあるけど説得力は全くないですね。特に中盤以降はその場のノリで書いたとしか思えない出来でした。世界観は練り込まれているだけに残念。フルーツパンチさんが描くイラストも可愛らしかった。次巻買うかはわからん。2015/01/28
まるぼろ
18
第1回オーバーラップ文庫大賞金賞受賞作の、近未来と言うよりは魔法のあるゴシックファンタジーと言った感じの作品です。魔工機が好きなオタクで大学10年生のスーピは人間より100年ほど先の技術を持つスイと言う種族のコートボニー教授と出会うのだが…と言う所から始まるお話です。で、感想ですが、スーピの魔工機最優先…と言うかそれ以外の事に臆病な気質でそこは読んでてちょっと…と言う所がありましたが、そんな所から事件に発展しながら物語が進んで、終わってみれば面白くなりそうな予感のする作品ではありました。次巻にも期待です。2015/02/18
京和みかん
14
第１回オーバーラップ文庫大賞金賞受賞。今回、初めて読ませていただきました。内容は、立派な魔工機職人を目指す少年、スービ・キュージットが、小人のコートボニー教授と出会い、紆余曲折ありながら絆を築いていくというものです。特別、文章やストーリーにこれといった特徴はありませんが（練り込まれているのは世界観）、なんと言ってもキャラクターの描き方が上手いです。コートボニー教授には何度も悶えさせてもらいました。キャラは重要な要素の一つ。ライトノベルとして納得の一冊でした。2016/11/24
disktnk
11
引きこもりの工作オタクがのっけから彼女とデートでずっこけた。魔工のアイディアは面白いんだけど、結局どこに向かっているんだか分からないまま進むし、クライマックスは教授不在だし、永続魔石は空気だし…。フェイとの話とか、教授との工作とか、軸が1つあればよかったように思う。2015/02/01
