- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
冤罪連発の刑事訴訟、人権無視の国策捜査、政治家や権力におもねる名誉毀損訴訟、すべては予定調和の原発訴訟、住民や国民の権利など一顧だにしない住民訴訟、嗚呼(ああ)! 日本の裁判はかくも凄まじく劣化していた…。ベストセラー『絶望の裁判所』の瀬木比呂志教授が、中世なみの「ニッポンの裁判」の真相と深層を徹底的に暴く衝撃作! 裁判の「表裏」を知り抜いた元エリート裁判官による前代未聞の判例解説に法曹界騒然! (講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にいにい
63
裁判の現状を元裁判官が描いた批判的な暴露本。司法は、三権分立の要なのに人事権で、組織の論理が優先される悲惨さを突き付ける。歪みない論理を持って判決されることを望むのに。指摘全てが妥当かさておき、著者は、外の安全圏から古巣を叩き、自分の考え・行動は、良心的、世界標準で、下した判決も適切と豪語し、「絶望」の宣伝を繰り返す。更に、他者には裁判を傍聴しネット等で発信することを強いりながら、自分は、参加の意志がないという姿勢は、流石、元裁判官!役人や職人を蔑むことを隠しもしない。そんな作風は、嫌いだな~。勇気➡続く2016/03/22
のんぴ
29
真偽のほどは定かではないが、日本では政治が、裁判所のみならず、検察、メディアに睨みをきかせ、「権力の番人、擁護者、保護者、忠犬」に成り下がっている。市民はもう少し、判決を吟味しコメントで疑問を呈したり、最高裁判事の信任に際しては、弁護士出身かなど経歴も加味して投票するなど、世論を形成しなければならない。司法が正常に良心に従って判決を下せるようになれば、1票の格差や原発再稼働なども違った結果になるかもしれない。判決はニュースでよく見るけど、批判的な目で見ていきたい。2024/11/28
おさむ
25
「絶望の裁判所」に続く瀬木元裁判官の暴露本第2弾。名誉毀損の賠償額高騰の訳、原発訴訟や行政訴訟の信じ難い内幕、和解のプロセス等、今回も赤裸々に描いています。怒りや驚きを通り越し、笑っちゃいます。ただ、刑事裁判の話は自らの経験でなく伝聞が多いので、説得力に欠けますねw。2015/05/02
ふぇるけん
24
『絶望の裁判所』に続く、日本の法曹界、特に検察と裁判官に絡む闇を論じた一冊。『絶望』もショッキングな内容だったが、こちらもまた読んでいて苦しい。司法=正義という私の中のイメージがかなり書き換えられてしまった。果敢な判決を行った裁判官は地方に飛ばされ、自浄作用が働かない組織がどこまで腐敗してしまうのか、まるで出口のない迷路のようだ。2015/08/25
てつのすけ
22
前作「絶望の裁判所」に引き続き、裁判所の実状が描かれている。 著者の主張を、すべて受け入れることはできないが、それでも現在の裁判所は堕落してしまっている。 一気に改革することはできないであろうが、変わることを期待したい。2019/05/16