内容説明
2014年、安倍政権になって1年あまり、この間の政治的状況に危機感を覚えた小説家・片山恭一氏が、「あまりにもヒドイじゃないか!」ということで、畏敬する思想家・森崎茂氏と“緊急討議”!
第2弾が出来。今回はより哲学的に鋭利に現在の日本社会を切り込んでいます。
森崎「村上春樹の本を読んで癒されるというか、共感するというのは、そこで思考停止しているからだと思います。」
片山「この人の狡猾さを世界は認めるのかっていう、絶望に近いまでの不快感です。村上春樹を認める世界を、ぼくは認めない。」
……村上春樹論にまで及んだお二人の対談をどうぞご賞味ください。
目次
グローバリゼーションと民主主義によって実現される世界
東洋は西洋の対抗原理たりうるか?
解釈のための言葉はいらない
当事者性をめぐって
村上春樹が図らずも描いてしまったもの
そして内包存在へ
〈著者略歴〉
森崎茂(もりさきしげる)
思想家。1949年生まれ。九州大学農学部卒。著書に『内包表現論序説』、『GUAN02』など。現在、「内包」概念を中心に、まったく新しい存在論を構築中。熊本市在住。
片山恭一(かたやまきょういち)
作家。1959年愛媛県生まれ。九州大学農学部卒。主な作品に『きみの知らないところで世界は動く』『世界の中心で、愛をさけぶ』『死を見つめ、生をひらく』『生きることの発明』など。福岡市在住。