内容説明
“商店街の神様”と私は…つきあってるの?
ショッピングセンターの神様「恵まれさん」は同じクラスの女の子。ある日を境に、女同士なのにつきあってるっぽい彼女と私。この先どうしたら…? そしてそこへ、空気を読まないとんでもない女が割り込んできた!
※この作品は廉価版です。廉価版にはイラストが入りません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
訃報
7
これほど文学しているラノベはないのでは。語りの方法が凝りまくっていて、それはただの遊びではなく、文学的効果を狙ってやっている。カズオ・イシグロ的なものを感じる。「信頼できない語り手」ってこともあるが、気品がある、そのくせ柔らかくて、そして登場人物の心は、俺には見えていない、何か微妙で、つかみどころのない、貴重なものを見ている。作者や彼女らは明らかに自分より頭が良いが、それは「頭の回転が速い」ってことではなく、「思考のレベルが違う」。でも、これはやっぱり青春小説なのだ。若き日の過ちと、おそらくは輝き。2015/11/08
とわとわ
4
私と同じ日本語を話しているはずなのに、微妙に理解できない会話。理解できない単語は何一つ使ってないのに。ヒロインと主人公のラストの会話は衝撃的。 この話はどうなるのか……主人公の現在時間に、ヒロインは?2011/09/12
海老庵
4
百合百合した甘い雰囲気を楽しむ話、ではない。ちょっとエキセントリックだけど現実にある日常の中で相手の本質に迫る事の意味を考えさせられるコミュニケーションの物語。しかも自分のあり方を前提にするが故に発生するディスコミュニケーションの物語が必然的に発生してしまうのがまた良い。過去(子供)を現在(大人)から俯瞰しているプロローグ・エピローグがあるので、ディスコミュニケーションのまま終わる未来は何となく見えてるのだけど、それでも主人公のじたばたする様子を眺めていたくなる魅力がある作品。2009/11/26
竹花 樒 - Shikimi Takehana
4
「22年前の回想としての『君が僕を』」と「リアルタイム偶像劇としての『君が僕を』」の2層からなる「喜劇」の物語。リアルタイムで22年前の今を生きる淳子と、22年前の過去を振り返る淳子の異なる2つの視点が混在し、前者の「言葉」が噛みあわないディスコミュニケーションとしての反=百合の物語を、後者のテクストが突き刺すように意味を繋ぎ通していく。あまりにも鋭利なナイフのような鋭さに戦慄し、同時に過去の今を生きる淳子が未来へと目をむけることで熱を帯びていく情欲の百合物語に色々な意味で圧倒されたシリーズの2巻でした。2009/11/20
ろびん
3
少しわかってきたかと思うとすぐ逃げていく感じ。しんどい。2020/03/05