内容説明
学園青春クライムアクション開幕!
「殺せぬ煩悩などない。重い懲罰を課せばきっとな」
恋愛厳禁の全寮制高校・聖ヶ原学園(ひじりがはらがくえん)。高校二年の主人公・軒原拓馬(のきはら・たくま)は、学園の秩序を守る風紀委員会のホープだ。同じく堅物な風紀委員の相棒・小瀬村衣舞(こせむら・いぶ)とともに、幼少時よりこの学園で厳格に育てられた拓馬だが、この学園には彼らが知らない学生地下組織が存在していた。
――非営利で同人誌を密造し配布する『脳内解放区(のうないかいほうく)』(通称「脳解」)。
そして事件は起きる。
中等部で人気の男子生徒、光武 悠(みつたけ・ゆう)が半裸で拘束され、校舎裏のプレハブで発見されたのだ。「脳解」の仕業と断定し、組織の所在を探る拓馬。そんな彼の前に「脳解」の代表を名乗る女子生徒「ブルーシスター」が現れる。ウィンプルに白の仮面で顔を隠した彼女は、事件の主犯が別にいることを告げ、拓馬に「脳解」のメンバー入りを促すのだが……。
「なぜ、自分を仲間に?」
――そして拓馬は自身がロリコンだと知る。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
柏葉
6
Amazonレビューが良かったのと帯に惹かれて購入。BLなど、人に大っぴらに言えない趣味や性癖を持つことがテーマ。葛藤はあるものの、後ろめたい感じはあまりせず、学園ものに昇華されている。思ったより普通と、感じた。 2012/07/16
Lunor_kssg
5
読了.そこそこ.脱兎リベンジからの作者買いだが,期待したほど面白くは無かった.続き物だというのが問題なのか,一巻ではほとんどキャラ紹介でした.あの脱兎のまとまり具合が良かったのに.主人公が虹ロリに目覚めた設定も今回は有効に使われておらずがっかり.絶対カルガモとなんらか絡ませると思ってたのに.2012/07/02
シュエパイ
5
真面目だった筈の彼を惑わせたもの、それは、素敵な物語でした、っと。まぁ、とめられようがとめられまいが、突き進むときは突き進んじゃうものだからね!好きなものならば、どうしようものないのですよっ2012/06/03
hnaomizu
5
『悪趣味と人徳は矛盾しない』今作のテーマはこれに尽きるのではないでしょうか?前作脱兎リベンジから待ちに待って、出た作品。待った甲斐がありました!すんごい好み。前作からは結構変わったようにも見えますが、根底に流れてるものはそれほど違いないですよね。熱く、時にコミカルに、王道でベタな話かと思えば少々の捻りが入ってくる。自分が前作で感じた「秀章節」を今作でも感じました。書きたいテーマがきちんとあって、さらにそれを読者に明確にわかるように書いてあり、それがとても気持ちいい。爽やかではないけど清々しいです。2012/05/23
eckhart88
4
いいねこれ! 前作から思ったが著者は弱者の立場に立った物語作りがとても上手い。世間からは決して褒められはしないけれども、そこに価値を見いだした青少年たちの熱意がよく描けている。学園を舞台にしながらもハードボイルド系刑事小説の骨格。正義の体現者が、しかし譲れぬ矜持のため悪党と手を結び事件を解決する流れをなぞりつつ、その上にあるのはオタク文化、そして特殊性癖、楽しく荒唐無稽でありながらピリリと辛い良質のラノベ。”マリア座の怪人”となった主人公、幼馴染みとの関係、そして開眼してしまった新世界と次巻が楽しみだ。2012/07/05