珈琲時間

著者名：豊田徹也【著】

講談社（2015/03発売）

• ISBN：9784063106046

内容説明

コーヒーがあるだけで、世界はこんなに美しい。「コーヒー」をモチーフにした芳醇な短編集。チェロ弾きの女性が出会った、怪しいイタリア人（？）。映画監督を名のり、コーヒーをたかる彼の振る舞いはいかにもうさんくさいが……？　登校拒否の少女が一人暮らしの叔母を訪れ、いっしょに生豆を焙煎し淹れたてのコーヒーを味わう……。などコーヒーにまつわる様々な物語を17編収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[exsoy]

「美味しい珈琲」とは何か。苦味走った大人の味が美味しいと感じる人もいれば、作中にも出てきたベトナムコーヒーを美味しいと感じる人もいる。人の嗜好は千差万別、さらに流動的なもの。今は好きじゃなくても、そのうちに飲めるようになるのかもしれないな。

2012/10/08

[なつ]

日々を生きる人々とコーヒーにまつわる掌編たち。人生とコーヒー、両方とも味わい深いもの。2つの良さを存分に堪能。一冊で幅広いジャンルの話が楽しめるのが短編集の醍醐味。中にはオチに｢え？｣となるものもあったけど、老若男女、それぞれの人生の在り方を見せてくれました。ここしばらく荒れがちだったので心が潤って落ち着けた。感謝。

2020/03/31

[傘緑]

「さあコーヒーを飲もう今すぐに！なぜなら人生はあっという間に過ぎ去ってしまうからだ！」丁寧すぎるほどに丁寧に豆を選り分け、一豆一豆の焙煎に時間をかけ、苦味酸味そして旨味を立たせる豊田徹也(待ちながら香りと音を愉しむのも珈琲時間)。その芳醇なるハードロースト・エスプレッソたち。「人生に必要なのは何か？生きる糧となるものは？酒か？恋愛か？金か？それらは強すぎる…一杯のコーヒーと口ずさむ歌、それが生きる慰めとなるのだ」コーヒーの冷める間もなく喫み切れるささやかな一杯の慰め、喫み足りなければまた最初からのご注文を

2017/04/14

[たまきら]

キンドル購入。初めてこの人の作品に触れたのがこの漫画の一編でした。笑いあり悲しみありSFあり。アンダーカレントに登場する探偵さんも出てきます。嘘ばっかりついている映画監督さんが好み♪私はコーヒーは飲めませんが、人生はあっという間だからこそ一秒一秒なんて贅沢なんだろう！と思います。毎日走っていて気づいたら50過ぎてた…大事なものが増えて、「狂犬」と言われた性格も（少し）丸くなり、相変わらず不器用で、不器用な人たちが好きです。生きるってそれだけで素晴らしい。面白かった。

2023/06/27

[アマニョッキ]

人生に必要なのは一杯の珈琲。 さぁ、今日も珈琲を飲もう。

2016/12/15