内容説明
雪解けの始まった落地では、鬼虫と甲虫の最後の戦いが始まった。剣菱の前に立ちふさがるのは戦闘狂の烏帽子。上空では、竜胆が虎杖と兄弟の因縁の戦いを繰り広げていた。叶葉達も、神鯨の乗組員の説得に当たろうと艦橋へと赴く。そして、九曜と朧の戦いもまた──。 人間から兵器になった鬼虫達の、戦中から続く長い戦いがついに終わりを告げる。譲れない信念を掲げた鬼虫と甲虫、果たして生き残るのはどちらか──。 最強の兵器達の神速アクション、本編感動の完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
57
鬼虫と甲虫、それぞれの因縁に決着を着けるべく激突する落地での最後の戦い。前巻終了時点ですでにかなり期待していた最終巻ですが、思っていた通りの、いや思っていた以上の内容でした。各々が譲れない信念を持って激突した正々堂々の真っ向勝負。こういう戦いの末に着いた決着は、勝っても負けてもお互い持てる力を出し切った感があって、とても良かったです。ひとつひとつの物語に丁寧にきちんと区切りをつけて、最後は最後でまたいい感じに終わらせてくれて、心地良い読後感で読み終えることができました。著者さんの次回作に期待しています。 2014/11/09
まりも
51
2014年の傑作。文字通り総動員となる激闘の連続に興奮しっ放しで物語が終わるその瞬間まで時間を忘れて読み切ってしまった。過去の戦争を続ける黒塚部隊と終わらせるために戦う九曜達鬼虫に機械兵たち全員の信念のぶつかり合いとなる戦いは圧巻の一言。敵味方脇役の全員がこれほどまでに魅力的で印象に残る作品はそうないでしょう。全てに決着を付け未来に向けて旅立った二人の笑顔で迎えるラストも本当に綺麗でこの作品に相応しい終わり方だった。吟さんのイラストも最高。次回作にも期待しています。2014/11/10
Yobata
46
柊の手により雪解けが始まった落地の土地で、剣菱と烏帽子,竜胆と黒塚,九曜と朧と鬼虫対甲虫の最終決戦が幕を開ける。その中で守るべきものを守るため叶葉も動き出す…。本編最終巻。自身の目的のために盲目的に邁進してきた甲虫側と守りたいものを守るため,これまでの者たちの意思を継いで戦う鬼虫側の激突。やはり失うものがない者より何かを守る者の方が強かったね。剣菱も竜胆も菊丸もギリギリの戦いを強いられたけれど、最後には気持ちが数枚上にいってた鬼虫側が勝てたんだろうね。そのヒューマンエピソードを含めた戦闘描写に前後の→2015/01/04
giant★killing
45
【あなたは何の為に生きているのですか?】本編完結。内容は「残された時間」を活かし≪蟻塚≫を永久停止させた柊が完全停止し落地の雪解けが始まる。その舞台には、≪蟷螂≫の剣菱と≪黄亀≫の烏帽子、≪蜻蛉≫の竜胆と≪兜≫の虎杖、そして≪蜂≫の九曜と≪鍬形≫の朧の姿が。様々な因縁、思惑が複雑に絡み合う中、鬼虫と甲虫の、互いに譲れない、信念を懸けた最後の戦いが始まった…。あとがきには「終わらせる為の話」と書かれていますが、そんな言葉では語り尽くせない程に、この作品には多くの魅力が詰まっている、私はそう確信しています!→2016/06/12
まるぼろ
37
完結巻です。最終決戦が始まった落地に主だった面々が集結する中、鴇子や叶葉達もそれぞれ行動を開始し…と言うお話。感想ですが最後までしっかりと書ききった様な内容でとても満足な気分になれました。夕馬や島田の動機…と言うか本質みたいな物は垣間見れた様な気はするのですが、空閑さんが何故最後の最後まで変われなかったのかがちょっと分からなかったかな…。が、終わってみれば鬼虫側の大勝利…守りたいものがある人達が勝つべくして勝ったのは良かったな、と。真一と叶葉にはずっと幸せであって欲しいと思いました。次回作も期待です。2015/04/23