- ホーム
- > 電子書籍
- > コミック(少年/青年)
内容説明
敗戦直後の東京。未だ自身の戦争体験に引きずられている川島徳太郎と、元戦友の黒田門松。死に損なったふたりの男は、かつて泥沼化した戦争末期の中国大陸で出会い、やがて失う仲間と共に、いかに生きていたのか……。ふたりの過去に迫る、怒濤の《戦中編》!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
47
私が子供の頃には徴兵経験を持つお年寄りがまだたくさんいらっしゃった。本人が口火を切る以外、思い出を気安く尋ねてはいけない暗黙の了解があったように思う。戦地の日常を描いたこの巻は一際読むのが辛いが目を離せない。2016/08/15
こも 旧柏バカ一代
29
前線の新兵の最初の死亡はシゴキ(いじめ)による首吊り自殺。殺伐としてるからシゴキも苛烈だ。病気で死ぬか、飢えて死ぬか、シゴキで死ぬか、敵に撃たれて死ぬか。。鬼火って亡くなった方からガスが出てそれが燃えてるらしい。。昔は真っ暗だったから墓場の鬼火はよく見えたらしい。2020/04/26
ヒロミ
27
2巻は戦時中の大陸での話がメインに進行する。兵隊たちのユーモラスな悪ふざけとは対照的な中国人処刑の話…淡々と進んでいくためかよけいにその惨さが浮き彫りになる。兵隊たちの会話ややりとりがリアルで、戦争とは美化も讃美もされることではなく過去にあったたしかな現実なのだと強く感じた。「ここまで描いていいの?!」というくらい生々しい。2015/08/13
Maki
23
死に損ないの二人の出会い。一巻より時は遡って中国在留していた戦時中。日本兵同士の足の引っ張り合いやいじめや嫌がらせ暴力。画力が凄すぎて、胸くそ悪い。(作品としては素晴らしいってこと) 2021/08/28
そのじつ
12
古参兵の顔がずらりと並んだところなんか、うれしくてニヤニヤしてしまう。いやぁうまいわぁ〜。お話の方は「兵隊やくざ」ですわね。ファンタジー抜きの。群像劇としての描き込みも詳細。読みながら水木しげるのラバウル戦記の語り口をどこかで思い出していた。そして女性の表情、もの言わぬ雄弁な表情(顔だけじゃなく体全体)が素晴らしい…。女であることの哀しさと恨みの気持ちがにじむ。川島のたたずまいは周りの人間の想いを引き出してしまう。戦場において稀有な存在であり清々しくもあるが、彼の存在が今後波紋を呼ぶのではないか。2014/10/31