内容説明
その絵は、誰のために、何のために、描かれたのか? 狩野派の若き天才が挑んだのは、一筆の力で天下を狙う壮大な企てだった――。天才絵師・狩野永徳が「洛中洛外図屏風」完成に至るまでの苦悩と成長を描いた話題作文庫化。下巻に特別描き下ろし短編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きくち
4
狩野派といえば、手本を元に絵を描く職人集団というイメージ。主人公の源四郎(永徳)は、そのやり方に違和感を覚え、自分の絵を描こうと模索する。自分の中のもやもやしたものをなんとか形にしたいけどどうしたらわからない葛藤。時の権力者達と関わり、次第に自らの道が見え始めてきたところで下巻へ。口調が現代調になったり時代がかったり定まらないのがきになってしまうのがやや残念。あと、勝ち気で強気なツンデレヒロイン(後の嫁)はもうお腹いっぱいです…。2014/10/27
うたまる
2
「この天地は、さながら真っ白な紙そのものよ。この上に何を描いてもよいのではないかのう」……国宝『洛中洛外図屛風』の制作を軸に据えた狩野永徳(源四郎)の歴史小説。上巻は模倣と大量生産で成功した狩野派の中で、自己流を貫きたい源四郎の葛藤を中心に描かれている。無論、歴史上の人物の心奥など分かるはずもなく、著者が自由に推量しているに過ぎない。なので、歴史小説とはいえ限りなくフィクションに近いだろう。また、作風は軽い。恐らく中学生辺りが読者層。だからか、主人公と許嫁とのやり取りが少年ジャンプの連載漫画レベルで痛い。2017/10/25
トラジ
1
天才絵師、狩野永徳。名前だけは知ってましたが、この時代に生きた人だったのですね。将軍義輝との描写が親し過ぎてフィクション感否めず。2014/11/01




