内容説明
イタリア・ポジターノへの旅を最後に日出子と別れた良介。多感な年頃の子供たちや愛人の妊娠に戦く親友……。生きる歓びを問う長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワニニ
44
これは小説ではなく人生だ。そう思える。歓びも悲しみも、切なさ寂しさも不甲斐なさも、うれしさも微笑みも快楽も…。一人一人の人生に皆、詰まっているのであろう、そんな。その時々には悩んだり、苦しんだり、憤ったり、悲しんだり、刹那的だったり、はたまたどうしようもなかったり、でも愛だったりすることも、後から思えば人生を彩る1つの出来事、あるいはイマ在る自分に必要な通過点だった。様々な驚きや新鮮さ、感情と共に、それをしみじみと感じる作。宮本輝はやはり読ませる!ただ、妻の生命保険金で愛人と椀飯振舞の心境だけが解せない。2014/10/28
モーモー
3
図書館休館中で、家の小説を探索。 妻に先立たれた良介は、昔の恋人日出子と彼女の故郷で再開し、二人でイタリアに旅立つ。良介はケンカ別れした兄にあうため、日出子は障害をもった少年パウロを確かめるために。 悪い過去はすべてきえる。小説のところどころに含蓄のある言葉が散りばめられています。2020/05/16
viva
2
色々と悩む?考える主人公の中年男性に妙な親近感(憧れ?)を伴う小説。 これ、若い頃読んでもピンと来ないだろうな。生きる歓びか、当たり前にあることにどれだけ幸せと感じられるのか。たぶん日常に幸せが潜んでるのだと思える一冊。ってか45才でも恋愛楽しめるなんて・・・うらやましい(笑)2016/09/25
Teruyo Yamaguchi
2
朝は生、夜は死とすれば、「朝の歓び」とは、生きる歓びということだろうな。主人公と日出子の話、そして、大垣さんの話が入り混じる。イタリア半島と能登半島。半島にフォーカスした作品かな~。宮本さんの少し昔の本と言う感じがした。2015/07/19
kata
0
今年最後の本にしようとして 大晦日に読み終えたら・・・ 読了感がなんとも言えず中途半端 続きは自分で考えろ、というメッセージか 読んでいる時は時間を忘れた 秀逸なストーリー2024/12/31