内容説明
〈今、渋谷。これから人を殺します〉男はインターネットの掲示板に書き込み、スクランブル交差点に軽トラックで突っ込んだ。十一人を無差別に殺し、センター街の喫茶店に籠城した男と交渉人との息詰まる攻防が始まる。凄惨な事件を引き起こしたのは「心の闇」なのか? 警察に勝ち目はあるのか? 世間を震撼させた事件の衝撃のラストとは――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
198
ネットの掲示板に「今渋谷、これから人を殺します」と書き込み、スクランブル交差点に軽トラで突っ込み、車を降りてナイフで次々と切りつけ殺害し、その後人質を取って喫茶店に立てこもる。いわゆる秋葉原無差別殺傷事件をモチーフに描いた作品。電話で犯人と繋がる交渉人が人質解放を呼びかけるが、正直交渉もへったくれもない。平行線で同じ言葉の繰り返し。合わないパズルを合わせようとしてもそりゃ無理でしょ。私には本作を執筆するに至らせた動機や根っこが見えない。あっという間に読み終えて、『誰でもよかった』の意味だけが残った‼️🙇2024/06/17
まるる
54
これを読んだら誰もが秋葉原の事件を思い出すよね。もちろんあの事件があったからこの小説が出来たんだろうけど。犯人と警察、警察サイドの現場と指揮。そのやり取りで話が進む。なるほどね「誰でもよかった」んだ。そういう展開か。2015/03/23
ニカ
46
川崎の事件があり、タイムリーな小説でした。最後のオチは中々良かったです。ただ、犯人との台詞のやり取りが毎回同じ様な感じで、深みがないのが残念でした。2019/06/09
Takeshi Kambara
41
渋谷駅前のスクランブル交差点に車が突っ込み次々と人を撥ねた後、倒れている人達をナイフで刺殺した上に人質を盾に籠城する犯人と警察の交渉バトル。やはりというか、かつて秋葉原で起こった無差別殺人をモデルにしている本作、犯人にもその家族にも一切共感できる部分は無かった。人質を盾に好き放題言ってくる犯人を刺激しないように交渉していたが…終盤、もう1つの誰でも良かったの意味が分かり少し驚いたが、いかんせん日本の警察は犯罪者に甘すぎる。殺人犯は即射殺で良いと思うし、発砲した警官が叩かれる現実にはウンザリ。抑止力は大切。2023/09/23
left7
39
交渉人シリーズのような話でした。テンポの良さは他の五十嵐さんの作品と同様でした。会話が同じことの繰り返しのようにも感じますが、実際の交渉もこのような感じなのでしょう。タイトルの「誰でもよかった」は最後に納得しました。2015/04/21




