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内容説明
そのキャラのままでいいの?お約束のやり取りから脱し、自分らしさを獲得する方法とは?
今や、バラエティ番組隆盛の時代である。
芸人のやり取りに爆笑し、難しいことは考えずに、楽しめるからだ。
「キレキャラ」「ボケキャラ」「Mキャラ」…など、 さまざまなタイプの芸人が登場し、
そのキャラに則ったお笑いを展開する。 そしてそこには笑いだけではなく、「お約束通り」という安心感もある。
お笑い好きの方々にはすでに周知の通りだが、
ひとつの番組に同じキャラは存在しない。 キャラがかぶっていると、MC(司会者)も芸人をイジりにくいのだろう。
このような「バラエティ番組の構造」が、
いま、まさに若者たちの間でも展開している。
それぞれがキャラをもち、それぞれがグループ内での会話を盛り上げようと、
自分のキャラをまっとうしている。
そこには、「次に何を話そう…」「どう盛り上げよう」「何を話しかけよう」など、
相手に気を遣わなくてもいいという気楽さがある。
人間関係をラクにするのが、キャラなのだ。
けれども、そのキャラに縛られる人たちもいる。
「私はそんなキャラじゃない! 」
「こんなキャラは自分じゃない」
そう感じる根底には何があるのか。
本書はそれこそが「自分らしさ」の発見への1歩であることを紹介している。
キャラは、無難にその場をやり過ごすために必要である一方で、
借り物の個性でもあるため、息苦しさを感じるのだ。
「キャラ」と「自分らしさ」をめぐる心の問題を心理学者が徹底分析!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Panico
2
♪なりたいようになればいいじゃんッ!…と言いたいところだが、それを世間を取り巻く非情な空気は許さん。駄目だね。演じてれば楽で衝突も少ないが、その分深い人間関係も育まれず、人は孤立する。それでも各々が痛み分けしつつも、周囲に求められるがままにキャラを演じ続けていくしかないのだ。時代の清算すぎる…。それでも、演じているキャラに自分の中でいちいちツッコミを続けていれば、いずれ活路は開けるっぽい。長期戦だがのんびりやろうぜみたいな2014/12/06
YM
1
一度認められたキャラからの脱却は難しいというのはわかっていたけれど、ひとまずキャラ付けされないと自分は見つけられないんだな。とりあえず、アイデンティティ拡散状態だからそこを何とかしないと……2014/12/24
ナシアナ・グランデ
0
その場の空気に適した発言をし、流れを乱さぬよう徹する。自分と相手のキャラを意識し、独自の役割を担っているか逐次意識する。本書を読んでいると、人との付き合い方が思い出され、度々でてくる若者の発言に共感してしまった。キャラから抜け出したい衝動が自分らしさのヒントであり、不器用でも自分の気持ちを自分の言葉で発言する事、そして普段と違う人と話す機会を持つことが大切だと、筆者は述べている。自分の今の気持ちを言葉にするって初めは難しい。しかも最近の人はテンポとか沈黙とかも意識するぐらい会話に敏感…。ホント難しい。 2016/02/26