内容説明
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『神曲』には、訳の古さ、原典の曖昧さ、訳語選択の問題など、それぞれに難点がある。しかし本訳は評価の高いペトロツキ版(1968年刊)を訳出の軸として、原典に忠実でありながら、平明な訳文を実現。訳注は、当該の見開き内に収め、読み易く編集。訳注、各歌解説には、世界的ダンテ学者として名高い故ジョルジョ・パドアンに師事した訳者が、『神曲』研究の最先端の成果を盛り込んだ。ダンテ『神曲』の訳本の決定版です。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
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優希
48
3世界の旅はこれで幕を閉じます。神の力によりおさめられている十天からなる天国で、聖ベルナールの案内で神と会い見えるダンテ。神との合一を果たすのが印象的です。三位一体を直観し、3つの世界を巡る旅が終わるのは大団円ですね。2022/01/01
優希
47
地獄から始まった旅はいよいよ幕を閉じます。ベアトリーチェにより天国へ導かれたダンテ。神の力が横溢する十天からなる天国で、聖ベルナールの案内で神に出会うことで、三位一体の神秘を知ったのだと思います。キリスト教文学の最高峰であると称されるのも納得でした。2022/07/29
マウリツィウス
17
【《》】ディヴァイン=《プリズン》、コキュートス=「ジュデッカ」。18号機と13号機、エヴァンゲリオンと福音書、ギリシャ正教とロシア正教、福音主義とエヴァンジェリカル、欽定訳と英国【国教会】、シャーロック=ホームズとワトスン、ヒイロではなくバスカヴィルの民、シェイクスピアとシェークスピア、「トラップ」に「決まっているだろう」《?》。ストーン・《オーシャン》と「レクイエム」、【まだまだこれからだ】。ルシフェル/デュアル《=》システム「《覚醒》」へ。結局/決着はフィールド=オン=ラクール・《ホープ》。覚醒再臨2014/12/20
えみりん☆
15
地獄篇が一番面白くて煉獄篇・天獄篇と進むにつれて面白くなくなるとの感想をよく聞きますが、確かに地獄篇は多少読みやすい気はしました。冒頭の言葉「まっすぐに続く道はどこにも見えなくなっていた。」というダンテの絶望感は切実だったのでしょう。そして最後の「我が望みと我が意志を回していた、太陽と星々をめぐらす愛が、」に象徴されるようにキリスト至上主義。この後に起こる大飢饉による膨大な犠牲者、そんな中この叙情詩はヨーロッパで支持され続けたのでしょうか。解説付きでなんとか読了、年末に読むには良い本だったかも。2016/12/30
hikarunoir
12
神より彼女賛美に紙幅を割いて欲しかったが、通読して見えたのは、実写化に適し具体的な天体や世界のスケール感や、より古い神話との整合だった。2017/07/04