集英社スーパーダッシュ文庫 代償のギルタオン3

著者名：神高槍矢【著】/おぐち【イラストレーター】

集英社（2014/08発売）

• ISBN：9784086307949

内容説明

港町シーカポートで対峙するラーンハイム軍と革命組織シュメルツヘイム。この睨み合いに終止符を打つため、軍は『ギッシェルミナ』の投入を決定する。パイロットに代償を課すことで強力な能力を発動させるギルタオン―その中でも、ギッシェルミナは、ラーンハイム最強と言われている。パイロットは残虐無比。神を自称する痛い奴だが、実力は折り紙つき。町が滅ぶ可能性すらも秘めている。一方、ヤシャナの計画の一環で、ライクに養子の話が舞い込んできた。王族にして、ラーンハイム軍の中将のガラハルドという男が、息子になるよう要求してきたのだ。彼により、ライクはヤシャナの計画を知ることになる。しかし、軍を信用することができないライクは疑心暗鬼に陥ってしまう。シーカポートは、軍により完全に包囲される。ガラハルドの率いる巨大戦艦マキッドゴイル。そしてギッシェルミナ。英雄グラカリム。さらには、友人だったメサイア。世話になったシュメルツヘイムが追い詰められようとしている。だが、ライクはシャミーたちを見捨てたくなかった。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[まりも]

読んでいてドンドンテンションが下がっていくロボ作品も遂に終盤へ。相変わらず面白いけど容赦なく主人公を追い詰めていくなぁ。善人がバカを見るをここまでやっている作品も珍しい。最初はちょっとだけ和やかな日常シーンをお送りした後は死者だらけの展開へ。新たな代償で成長したキルクライズが最強の相手に勝ったと思ったらド外道のシャリオが美味しい所をすべて持っていくという喜びも束の間仕様でした。シャリオには早く痛い目にあって欲しいけどクードさんはなんか勝てそうな気がしないな…とにかく次巻早く。

2014/08/03

[まりも]

再読。和やかな日常シーンからの主人公鞄詰めという鬼畜展開の落差がスゴい。最後の最後で全てを持っていくシャリオの腐れ外道ぷりが素晴らしいですよね。続きを待ってたんだけどこれが出たのは2014年。そして今は2017年、続きを読めないのは悲しいことだな。

2017/10/15

[シュエパイ]

幸せになりたかった、幸せにしたかった。きっとそれだけを思っていたはずなのに、どうしてこんなに哀しいのか。味覚をなくした勇者の叫びも、二人目の代償を支払った慟哭も。そして、悪魔のような神として振る舞った彼のことも、許されないことをした彼のことも、なぜか哀しいのです。りん・ごーん、と。二人だけの会話の時が、小さな小さな癒しと許しの時間だったのです。あぁ、この家族たちの物語はどうなってしまうのでしょう・・・。

2014/08/13

[クロウ]

これは素晴らしい。最高に面白かった。情け容赦一切なし、御都合主義を完全に排した絶望感満載のストーリー。ライク、ヤシャナ、シャミー、ディスカニオ他、人物一人一人に葛藤や苦悩がある。シャリオが本当に憎たらしく素晴らしい悪役で、読んでいてこれでもかというほどイライラするけど、決してページをめくる手が止まらないんだよなぁ。どのシーンも素晴らしいけど、『命を繋げ。絆となれ。』でブワァッと鳥肌が立った。

2014/09/29

[ギンレイ]

【絶望と成長と、希望】 過酷なロボットファンタジー。 凄く良かった！ 今回は作品としての密度が再び濃くなって応援したくなる出来だった！ 【それぞれの正義】がうまく描写され、どれか一つに肩入れしすぎていないのが良い。 こうした読み手に考えさせる余地を提供する形で描ける作家がいるのは嬉しい。 キャラの掛け合いも手慣れてきて楽しくなった。戦には狂気がつきもの。群集が狂気に染まるのも悲惨だった。でもその分作者が《人間》をきちんと描こうとしているのが伝わってきた 　　 評価は ★★★★★★★★★★ １０個星です！！

2014/09/15